2014年7月31日木曜日

アフリカゾウの涙

6月初め、ケニア在住獣医師の滝田明日香さんの講演を聞きにいきました。滝田さんは、マサイマラ国立保護区での野生動物の感染症予防、個体管理などの職務以外にもNGO「アフリカゾウの涙」代表として、日本での象牙需要ゼロ運動に力を入れていらっしゃいます。

日本を含むアジア諸国の象牙商品の消費が、アフリカ大陸のゾウの密猟と違法取引に火をつけています。昨年だけで38000頭のアフリカゾウが象牙のために密猟の犠牲になりったそうです日本の象牙のほとんどは書類上では合法、しかし増え続ける密猟の数には日本にも責任があり、そして消費者が買う象牙製品が、テロ組織や犯罪組織の軍資金につながっている可能性があることも知られていません

ゾウの牙は一生に一度しか生えず、自然に抜け落ちることはありません。
合法も違法も象牙はゾウを殺して、頭から切り落とさないと入手できないのが現実です。

このままでは、10年以内に絶滅するアフリカゾウ。日本人の中にはまだ、実印は象牙で、という固定概念があるような気がします。
毛皮もそうですし森林伐採もそうです、命を奪ってでしか手に入らないものがあり、自身が消費している物が、世界にどのような影響を及ぼすのか、自分の行動ひとつで助かる命があるということをもっと自覚していこうと思いました。
アフリカゾウを取り巻く社会情勢は複雑です。
貧困、テロ、紛争、もっと世界で起きていることに眼を向けていくべきだと感じます。

象牙を持つことはいけないこと。
これが日本の常識になりますように。
私も啓蒙していきます!
以上、吉原でした。






2014年6月9日月曜日

軟部組織外科学

軟部組織外科学のセミナーに行ってきました。

講師はオクラホマ州立大のDr.Rochatでした。

私が聴いた内容は、、、

1.肝外胆道手術
2.胃の手術
3.小腸の手術

以上の3セクションでした。

主催はNAHA(日本動物病院会)で、その昔JAHA(旧日本動物病院協会、現日本動物病院福祉協会)から分派してできた国際セミナーを主に事業とする会です。

私も昔は、誰か海外の講師が来日する際には、土日であれば土日、金土日であれば金土日セミナーに参加していたものですが、最近は日曜だけ参加させて戴いています。
一応診療優先。でも、潮流には乗り遅れないようにするためです。

ウィークデイ休みなし、日曜セミナ−、、、
の今日月曜。
なかなかイイ疲労感です笑。

でも、日曜セミナー・学会の時はいつもそう。

さて、セミナーの内容ですが、特別目新しい内容はありませんでした苦笑。
ただ、そういう時は、自分の立ち位置の確認が出来て、ちょい安心、ということなのです。ま、もちろん、いくつかの新しい発見があったことも事実です。でないとわざわざ名古屋まで行った甲斐がないというものです(^_^)ゞ

最近多い胆泥症。
低脂肪食で対応していますが、胆嚢粘液のう腫でいきなり発見された時はオペも考えないといけません。ただ何でもかんでもオペしないでいけるよう、オペの勉強をしている、とも言えます。

Dr.BAOでした〜(^_^)ノ゛

2014年6月1日日曜日

"がん克服の最前線" 臨床現場で抗がん剤をどう活かすか!?

 麻布大の川村裕子先生のセミナーに行ってきました。

フィラリア予防も一段落かなの6月以降はセミナーも目白押しです。

今日もいくつかセミナーがバッティングしたのですが、私はこのセミナーを選びました。

 がん治療の目的は「治るならQOLの若干の低下もしかたなし」とする根治治療よりも、腫瘍増殖をできるだけコントロールしQOLの向上・維持を目的とする緩和治療を良しとする考えの川村先生の考えに賛同しているからです。

 抗がん剤は細胞毒性剤の副作用を利用している、というストレートな物言いもスッキリだし。

 動物とご家族を信じ、動物をちゃんと診ながら、無理せず患者様の腫瘍と共に生きていく覚悟を再確認したセミナーでした。

Dr.BAOでした〜(^_^)ノ゛


2014年5月18日日曜日

失敗から学ぶ 消化器疾患の外科的処置の実際

宮崎大学の鳥巣先生の外科セミナーに参加しました。

失敗から学ぶ、という表題ですが、大学の先生が貴重な失敗例を示して、我々臨床家が同じ様な失敗をしないように、という内容でした。

胃摘出、腸管切除、栄養カテーテル、ドレーン、胆のう切除などの内容でした。

どのようなセミナーでも、知らなかったことがいくつか含まれていて、明日から使ってみよう! と思ったりするのですが、今回もそういうことが結構含まれていました。

消化器外科は、けっこう多いジャンル。

外科を専門にしているわけでは無いにしても、何でもかんでも二次病院にまわすなんて、とんでもない。
一次病院のやるべきことをきっちりやるために、こんな感じで勉強を続けて行くわけです(^_^)ゞ

自分と同年代の先生も少しはいたけれど、それ以外は若い先生達。
長い長いマラソンをしていると思っています。
今日、同じ部屋に居た先生達もそのランナー。
ライバルだけど、ある意味、同志かも。

さ、明日、今日聴いた情報の器具や薬品を発注しなきゃ(^_^)v

Dr.BAOでした(^_^)ノ゛

2014年5月9日金曜日

HJS Orthopedics 2013 "NEXT" アーカイブ ウェブセミナー

HJS Orthopedics 2013 "NEXT" アーカイブ ウェブセミナーを視聴しました。

内容は、「世界の頂点がお届けする、世界標準、本物の整形外科強化プログラム。今回は股関節と膝関節。特にレッグペルテスと前十字靭帯症候群をメインに基礎からup-dateまで解説」ということでした。

こういうウェブセミナーは最近増えていますが、時間が空いた時に可能な時間視聴出来、繰り返し視聴出来、非常に便利で助かっています。

通常のセミナーはその時間内に見て聴いて内容を必死に理解する作業で、わざわざ東京まで出向いた時などは帰りの新幹線は缶ビール飲むやいなやバタンQという始末です。

ウェブセミナーといえど、自分はちゃんとデスクのMacBook Airと向き合い、真剣に視聴していますよ。お茶くらい飲みながらですが。。

膝蓋骨脱臼は当院でも多い病気で、グレードⅢになったら手術しましょうねといっているワンちゃんはかなりおられます。
膝蓋骨が行ったり来たりする大腿骨遠位の滑車溝を深くして、膝蓋靱帯が付着している脛骨粗面を移植して、関節包を縫縮して、というのがバオの標準です。両側の後肢のグレードの高い方から行います。が、片側を手術すると、もう片方の後肢はやや休めることができるせいか、進行が止まったようになることもしばしばで、両側の手術をせずにすむケースも少なくありません。

あと、前十字靭帯の損傷も少なくありません。
小型犬は外固定や内科的な治療法の選択肢もありますが、非常に活動的なワンちゃんの場合などは関節外法などで早めに手術してあげた方がいいかもしれません。
中大型犬は早期の手術がベターです。
関節鏡検査やTPLOなどの特殊なオペはこのセミナーの講師のひとりでもありますDr.是枝にご紹介致します。Dr.是枝は全国的にも非常に有名な先生でありながら、大阪・藤井寺に病院があり、バオの患者様は非常にラッキーと言えます。
まあ、そういう病気にならないように、バオでは日々ご指導させていただいておりますけどね(^_-)-☆

Dr.BAOでした(^_^)ノ゛

2014年4月14日月曜日

2013・11の動物臨床医学会年次大会以降の院長の出たセミナー・学会

皆様、ご無沙汰致しております。Dr.BAOです(^_^)ゞ

ココには何も書いておりませんが、ちょこちょこセミナーや学会には出ておりました。

2013年11月の動物臨床医学会年次大会以降に出たセミナーや学会について、極簡単にご紹介致します。

11/21インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

12/8 岡山でありました小鳥の外科のセミナーに行きました。

12/12インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

12/15 神戸でありました中医学のセミナーに行きました。

12/26インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

2014/1/9インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

1/19インターネット配信のセミナー『病理検査』を視聴しました。

1/23インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

1/26日本獣医がん学会に参加しました。

2/2JAHA 動物行動学のセミナーに行きました。

2/6インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

2/16吹田市中央図書館で「幸せなペットの老い支度」というセミナーを私が講師をしました。

2/27インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

3/13インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

3/16麻酔に関するセミナーに行ってきました。

3/27インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

3/30神戸でありました中医学のセミナーに行きました。

4/10インターネット配信の外科ライブVMN Live!を視聴しました。

4/13エマージェンシーのセミナーに行ってきました。


というような感じです(^_^)ゞ
けっこう勉強してるでしょ?笑
プラス専門雑誌も何誌もとってますし、専門書もけっこう購入しています。
タヒぬまで勉強なのですよ。

よく出てきていたVMN Live!というのは会員制で、月2のペースで、いろいろな外科手術などのライブ配信をしてくれます。リアルタイムで質問もできるので、大概1回に1回は質問しています。
それを観た翌日のオペは手の動きが良かったりするんですよ、これが。

では、コレからはもっとマメに内容も含めてご報告致します。

Dr.BAOでした(^_^)ノ゛




2014年4月8日火曜日

犬の消化器疾患に対する腹部超音波検査

2014年3月16日にCIVI北梅田研修センターで行われました、超音波検査のセミナーに参加しました。

ワンちゃん、ネコちゃんが嘔吐、下痢、食欲不振、黄疸、体重減少などの臨床症状を呈していた場合、いろいろな疾患を疑い鑑別診断をする必要があります。
消化器の症状であっても、神経や循環器、内分泌の疾患がないとも限りません。
その鑑別診断を行うにあたり、一般身体検査の他に、血液検査、腹部X線検査が第一選択として行われると思います。
もちろんそれらの検査で診断がつく場合もありますが、さらに有用な情報を得るのには、超音波(エコー)検査も重要になります。
腹部臓器に限らず胸部のエコーでも、エコーだから分かる変化や異常所見もありますので、今後の診察において診断の一助としてエコー検査をお勧めする場合もあるかと思いますが、ご協力いただければ幸いです。
特に心臓(弁膜症など)、肝臓胆のう(肝炎、胆泥症など)、泌尿器(結石など)の問題を抱える子は定期的なエコー検査をお勧めします。

以上、吉原でした。

犬猫のエマージェンシー(第34回動物臨床医学会年次大会)

11月15日から17日まで、グランキューブ大阪にて開催されました動物臨床医学会年次大会(通称、動臨研)に参加しましたので、ご報告いたします。
私が参加した大きいセミナーは以下の4つです。

①多飲多尿の病態と鑑別診断
②犬猫のエマージェンシー
③脳疾患だけじゃない痙攣発作
④僧帽弁閉鎖不全症を有する犬に対してどう麻酔を行うか

それぞれについて、飼い主さんにも知っておいて欲しいなと思う内容をお伝えします。
今回は②のエマージェンシーについてです。
まずワンちゃんネコちゃんが外科的または内科的疾患によってエマージェンシーに陥った場合、最も重篤な病態は何でしょうか。
それは心肺停止による脳への血流・酸素供給の停止です。
完全に血流が停止した場合、脳組織中の酸素は10秒で消費されてしまうのです。
脳組織の障害が増大すると、その後の機能回復は期待できません。
そのため如何に迅速に対応するかが重要なわけですが、実際ご自分のワンちゃんネコちゃんの状態の異常に気づいたとき、「救急に連れて行くべきなのかどうか」を悩まれ、まずは病院に問い合わせをする飼い主さんは多いと思います。

どういう病態を呈しているときが緊急性が高いのでしょうか?
目の前のワンちゃんネコちゃんが、
呼吸困難、昏睡、痙攣、可視粘膜(歯茎など)蒼白、重度な嘔吐や下痢
これらの症状を示しているときは一刻を争います。すぐに病院へ向かってください。
また、症状とエマージェンシーであること、エマージェンシーに対する治療の意思をはっきりと来院する病院に伝えてください。そうすれば、受け入れる病院側も迅速な対応を行えます。
エマージェンシーはいつやって来るか分かりません。
その場合に備えてかかりつけの病院の受け入れられる時間帯や、救急病院のチェックなどもしておくと安心ですね。

以上、吉原でした。