2015年12月24日木曜日

VMN Live!『1.慢性嘔吐の猫 2. 腸重積の猫』

12/24(木)イヴの夜、VMN Live!『1.慢性嘔吐の猫  2. 腸重積の猫』というウェブセミナーを視聴しました。

今回は2例、どちらも猫。で、どちらも消化器症状。
で、講師の先生もおっしゃってましたが、ここんとここういう症状が続いていて、、、と。
そうなんですよ、そういうことは臨床現場の獣医師なら誰でも経験していることなんです。同じような症状の症例が続くこと。
でも! そういう時によく落とし穴もあるものなんです。

今回の2例、2.が先にあったらしく、触診でも異常があり、エコーで確定してオペに入ったと。で、確かに腸重積があって、腸の一部を切除して吻合したというもの。

1.が後で、同じような症状でCTをみたらどうも腸の一部が狭窄しているので何らかのイレウス(腸閉塞)だろうと開腹。でも腸閉塞は見つからず、たしかに狭い部分はあったものの閉塞はしていなかったので、その部分の前後をバイオプシーして閉腹したと。

症状の改善がみられることをわたくしDr.BAOも祈りますが、どうなんでしょうという感じでした。

2.の例はこれで後うまく術後管理ができれば改善していくと思われますが、1.の例はうーん、、。ですね。

やはり外科は勝算が大事だとDr.BAOは考えます。

やっても治らないなら切らない。やって治る可能性がどこまであるならおすすめするか?
前にも書きましたが、ここから先はそういったこと全部を開示して、ご家族とよく話し合うことが大事だと思います。

うーん、すごいなー、うまいなー、というオペライブもいいのですが、我々にとっては、こういうウーンなオペもいろいろすごく勉強になります。
別に間違っていたということではなく、他のやり方もあったかもしれないと考えさせられるケースでもありました。

いよいよ今夜はイヴ。
皆様はどんな夜をお過ごしでしょうか?
あと1週ほどの今年。あと1週ほどをがんばりましょう!\(^_^)/

ではでは、Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛




2015年12月17日木曜日

ペット中医学応用講座「主として腎をテーマに」

12/6(日)のJPCM(日本ペット中医学研究会)@東京の午後の部は、
1.北京農学院 陳武教授による「慢性腎不全の中西結合的検討と臨床の実際」
2.北京龍福金動物医院 ラオ先生による「中枢神経疾病におけるMRI診断及びイスクラ産業ペットサプリメントの応用」
3.JPCM会員からの発表
4.楊達中医師による「腎と補腎」

以上盛りだくさんの内容でした。

1. 腎不全の中医学的分類

  1. 気陰両虚型
  2. 肝腎陰虚型
  3. 脾腎気虚型
  4. 脾腎陽虚型
  5. 陰陽両虚型
  6. 湿熱中阻型
  7. 水湿停衆型

腎不全の本質は、運化を司る脾と血脈を司る心と血の異常による。
「脾不健運」と「血瘀」は病気の「本」。
治療の根本は「健脾活血」。

慢性腎不全証は主に、虚、濁、瘀、毒の四大病理机制が存在し、それに応じて段階ごとに処置をとるべし。
いずれの段階においても、「健脾活血」となる鍼灸や中薬治療は必要である。

2.

  1. 脳挫傷の症例 中医学的な診断は血瘀証→手術で凝血を除去し中薬で治療、または鍼灸、中薬の連携→活血化瘀
  2. 水頭症の症例 中医学的な診断は気滞血瘀、萎証、痺症→鍼灸、中薬
  3. 原因不明の麻痺の症例 中医学的な診断は萎証→快元、通楽
  4. 肉芽腫性脳膜炎 →プレドニゾロン、グリセリン、快元、通楽、寧心

4. 先天の本である腎について。
腎と膀胱
腎の基本機能
腎病のポイント症状
腎のメイン病理変化
補腎の基本
補腎陰と補血
補腎陽と補気
補腎と利水解毒について
補腎と活血について

以上、全体的に「腎」をテーマの講演でした。

奥深い腎の話オンパレード。

午後の講演はついて行くのに必死でした(≧_≦)ノ

カオス、、、その先に見えるだろうものを待ち続けつつ。。
地道な勉強続けるのみ(`・ω・´)✏️☆

もーほんと、じつにおもしろい\(^_^)/

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛


2015年12月12日土曜日

ペット中医学基礎講座「衛星式弁病・弁証診療法」

12/6(日)はJPCM(日本ペット中医学研究会)のセミナーで東京に行きました。

午前の部、基礎講座は「衛星式弁病・弁証診療法」を楊達中医師がご解説して下さいました。

我々は通常、西洋獣医学をベースに診療を進めています。

中医学的な診療は、はじめから中医学の弁証論治にのっとって進めていくことになります。

で、バオでは中医学診療の時間を午前診終わってからの昼過ぎの時間にセッティングしています。が、実際は通常の診療をしながら、その延長線で中医学の考え方を説明し、西洋医学的な診療に中医学的な診療をミックス(融合)して、進めていることがほとんどなのです。

この衛星式弁病・弁証診療法がまさにその進め方をサポートしてくれる考え方なのです。

つまり、いつも通り西洋医学的に検査をして病名診断を行い、病名を導き出すということをします。そして次に、その病気の中医学基本病機(メイン病理変化)を判断し、その基本病機に基づいて四診で中医学的個別体質弁証を行うというものなのです。

これだとわざわざ中医学診療という区別をせずに、日常診療の中で中医学的な診療も併せて行っていけるわけです。

実践的な考え方で、Dr.BAOもすごく納得です!

さすが、楊達老師〜m(_ _)mへへー〜

ということで、次はごごの部へGOε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛


2015年12月10日木曜日

VMN Live!『膀胱腫瘤』

12/10(木)診療終了後、VMN Live!『膀胱腫瘤』を視聴しました。

ウェブライブオペセミナー。今日はバーニーズの膀胱腫瘤のオペでした。
主訴は持続性の血尿。CT検査で肺にも腫瘤が見つかったが、肺の病変は変化無く、膀胱病変が拡大傾向なので手術に踏み切ったとのこと。

膀胱壁の部分切除の場合、尿管開口部との兼ね合いがあります。尿管が入り込んでいる膀胱三角をからめた病巣だと、尿管を一旦温存し、膀胱の腫瘤切除後、正常な膀胱部分に新たに尿管を吻合する必要があるからです。

それと、膀胱の移行上皮癌は講師の南先生曰く100%取れないと意味が無いと。
つまり、腫瘍組織が残っているとすぐに拡大増殖してしまうからです。

だいぶ前、バオでダックスで持続性の血尿が有り、エコー検査で腫瘤がわかり、エコー下でカテーテルを腫瘤にぶつけながらのサンプリングで移行上皮癌のセンター診断が出たケースで、でもちょうど膀胱三角が侵されていたので、内科的な治療をおすすめしたのですが、外科をしてくれる病院に行くと言って転院してしまわれました。
お気持ちもわかります。
ただ、もし、外科をしたとして、とても大きな負担になったでしょうし、予後はどうだったのでしょう。。

まあ、我々はいくつかの選択肢をそれぞれの利点欠点と共にお示しして、ご家族とじっくり話し合って、最善と思われる道を探っていく作業を積み重ねていくべきであることは言うまでもありません。

でも、明らかにその動物さんに負担が大きなことは、Dr.BAOはそういうトーンでしゃべることになってしまいがちであると反省はしますが、これからもそうなりますでしょうねゞ

でも、利点が明らかに欠点よりも大きくなる日が来たら、自信を持ってご家族にそれを開示していきます。
医学のそういう発展を期待しつつ、そして、我々の仕事が、できたモノをなんとかする仕事ではなく、そもそも何もできなくなるような、そんな仕事にシフトしていけるよう、未来に向けて地道に頑張っていきます(`・ω・´)ノ゛

では、Dr.BAOでした〜(^_^)ノ