2016年12月22日木曜日

VMN Live! 『下顎部分切除および胃瘻チューブ設置術』

12/22(木)午後診終了後、VMN Live! 『下顎部分切除および胃瘻チューブ設置術』を視聴しました。

今回は下顎にできた腫瘍が「悪性黒色腫」で、顎骨に浸潤しているということで、下顎の骨を半分切除するというものでした。

うーん、顎の骨をさわるオペはバオでもできますが、これに関しては、どうしてもDr.BAO自身に少し抵抗感が否めないですよね。顔の形が変わっちゃいますし、けっこうオペ中も出血しますし、、でも、それで動物さんが楽になってくれるなら。。

ただ、悪性腫瘍の場合、その時点での他の部位への転位のあるなしも重要ですよね。

ついこのあいだバオでも同じようなオペがあり、術後病理検査でやはり「悪性黒色腫」だったのですが、まだ骨への浸潤が無く、比較的初期だったのではないかと少し期待しています、これからを。16歳でしたが、なぜか迷わず切除オペしました。

ま、そのあたりは30年以上の勘でしょうか。
良くも悪くも、アタマがキレてる時は、勘があたるんですよね。
ま、それはさておき、、、

切除端の組織を丁寧に合わせて術部を再建していくわけですが、そうすると案外、下あごの骨が半分ないという感じには見えなくなるものです。当然しばらく食べ物をとりこんで咀嚼して嚥下するということがしづらくなるので、今回は胃瘻チューブ設置しましたね。

そこにある腫瘍をどうするのか。
外科か内科か。。。
麻酔は安全か、術後はどうする。。
いろんなことのメリット・デメリットを検討に検討を重ね、次に進んでいく。

腫瘍と対峙する。

Dr.BAOはたぶんもう今から腫瘍学の専門医にはなりませんし、なれないでしょう。
これからもスーパージェネラリストとして(スーパー笑) 西洋医学も東洋医学も、もっと高次元の診療ができますよう、努力を重ねていく所存です。

たぶん2016のこのブログもこれが最終回になると思います。

今年一年、サイトに来ていただきありがとうございました。
わたくしDr.BAOはとにかく動ける限り、これからも日常診療、セミナー、学会、に全力を注いでいく所存です。

ではまた、2017にお会いしましょう\(^_^)/\▼・ェ・▼/\=^_^=/♬〜

よい年末・年始をお迎え下さい🍀

Happy Holidays🎄⛄️❄️


2016年12月20日火曜日

ペット中医学臨床応用講座「泌尿器系疾患の中医学ケア」「泌尿器系疾患の中獣医学検討と臨床の実際」「眼疾患の中西医結合治療」「症例投稿大賞表彰」

12/18(日)JPCM(日本ペット中医学研究会)@イスクラ東京の午後の部は、ペット中医学臨床応用講座「泌尿器系疾患の中医学ケア」「泌尿器系疾患の中獣医学検討と臨床の実際」「眼疾患の中西医結合治療」「症例投稿大賞表彰」という盛りだくさんでした。

まず「泌尿器系疾患の中医学ケア」はまた楊達老師のご解説でした。
現代医学の泌尿器系疾患と、中医学における弁証特徴を重ね合わせ、飲食物の代謝を中医学的に解説し、「上焦・中焦・下焦」の中での五臓の関わりや「気・血・津液」として全身をめぐる生理と、よくみられる疾患のポイント症状について簡潔にご解説いただきました。

次に、北京農学院の陳武教授による特別講演「泌尿器系疾患の中獣医学検討と臨床の実際」、北京中西結合治療センター眼科獣医師の夏楠先生による「眼疾患の中西医結合治療」のご解説がありました。

そして、JPCM会員の先生方の症例投稿から楊達老師が選んだ優秀賞例3症例の表彰がありました。(Dr.BAOの投稿は少し時期が遅すぎたので、、、なんてねゞ)

そして、、、
ここだけの話。
その後、懇親会があり、そこでなんと、関西漢方獣医ダンサーズ(略してKKJ)が恋ダンスを披露しました。(もちろん支部長であるDr.BAOも参加✨️笑)
もうほんとめっちゃ練習しましたタツロー♬

では、益々寒くなりますので、
皆さん、暖かくして良い年末・そしてお正月を迎えられますように( ̄人 ̄)。。。

今年もいろいろありがとうございました〜
Dr.BAOでした〜
あかん、今日逃げ恥最終回やのに、早よ帰らな〜ε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛



ペット中医学入門講座「衛星式弁病・弁証診療法」

12/18(日)は中医学の勉強に、イスクラ@東京に行ってきました。

午前の部は、「衛星式弁病・弁証診療法」という内容で、いつもの楊達老師のご解説。
この衛星式という弁証の立て方は、本場中国にはないもので、我々がいつも行っている西洋医学的な診断でまず病名をしぼり(弁病)、次に、その病気の中医学基本病機(メイン病理変化)を判断し、その基本病機に基づいて四診で中医学個別体質弁証(衛星)までたどり着く中医学的診断(弁証)なのです。

西洋医学は完璧ではありません。
が、中医学も完璧ではありません。
中医学の弁証論治には定量検査の数値的情報が不足し、偽症状と主観的な素因の影響を受けやすく、マクロは得意だけれど、ミクロは不得意という特徴があります。

それを補って余りあるのがこの衛星式という弁証なのです。

我々の診療スタイル(まず西洋医学的アプローチから始める)を変えずに進めることができ、時には症状すら出ていない時にも治療へと繋げることができ(中医学ならでは)、西洋医学を補完でき、マクロだけでなくミクロ弁証へと繋げることもでき、異病異治に経時的な時間要素も加えることができ、疾病の予後・転化の予測がしやすくなり、再発予防の『養生』に繋げることもできる、というものです。

まあ、これには西洋医学の付け足し的なやり方では到底なし得ない、中医学的なアプローチがそれなりに必要なわけで、私Dr.BAOもそのために中医学の勉強をするべく、アラ還の我が身に鞭打っております (苦笑)。

ここのところの寝不足による睡魔🏊と闘いながらの午前の部でしたorz...

午後の部へと続く〜


2016年12月15日木曜日

VMN Live! 1. 右側耳道内の耳垢腺癌により全耳道切除を実施した1症例(ビデオ解説) 2. 骨盤腔内の腫瘍摘出(CT画像解説)

12/15(木)午後診終了後、VMN Live! 1. 右側耳道内の耳垢腺癌により全耳道切除を実施した1症例(ビデオ解説) 2. 骨盤腔内の腫瘍摘出(CT画像解説)を視聴しました。

ライブWEBセミナーです。今回はビデオと解説でした。

1. 右側耳道内の耳垢腺癌により全耳道切除を実施した1症例
酷い外耳炎や耳道内の腫瘍切除のために全耳道切除を行うことがあります。ただ、結構な確率で顔面神経麻痺や前庭症状が出ますので、そのあたりの兼ね合いを十分考慮した上でのことですね。

2. 骨盤腔内の腫瘍摘出
骨盤腔内に腫瘍があると、大きさと場所にもよりますが、骨盤の一部を取って、オープンにして手術を進めることになります。
以前バオでは膀胱破裂の子猫ちゃんの膀胱が小さすぎて、骨盤の結合部を一度外して、膀胱の処置後また閉じた例がありました。若いネコちゃんの骨盤はよく動いたので、切除しなくて済みましたが、成長した動物さんだと、切除が必要だったでしょうね。取った骨は今回もとに戻しませんでした。講師の南先生によると、それで全く問題ないとのことでした。

昔若い頃、飼い主さんに、この手術どれくらいの数こなしたことがあるかみたいな質問を受けたことがありました。特殊なオペだと、ほぼ初めてのようなものも少なくありませんでした。人の医療とは違い(人でも小児や新生児は別ですよね)動物種も様々、大きさも様々な中で、毎回創意工夫の連続なわけです。
それでも、できるだけベストな結果を出すためには、いろんなことを想定し、開けてみて、どんな状況でもたじろがない応用性を身につけるべく、いろんな専門家のいろんな意見を聞くことも大切だと思うDr.BAOなのでした。。

月が綺麗らしいので、観に行ってきます〜
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛





2016年12月12日月曜日

JAHA国際セミナー『血液関連腫瘍と最新の腫瘍免疫学』

12/11(日)JAHA国際セミナー『血液関連腫瘍と最新の腫瘍免疫学』を聴講してきました。

講師はコロラド州立大のDr. Douglas Thamm。

私Dr.BAOはいつものように日曜のみの参加ですので、3日目のプログラムを聴講したわけですが、、、
1. 獣医腫瘍免疫学の基礎

2. 獣医腫瘍免疫学における進歩

3. 受容体チロシンキナーゼと犬のがん

という内容でした。

Dr.BAOは学生時代から、免疫学にはとても興味があり、雑誌「Science」の免疫特集のイラストが好きでした。細胞の表面で行われているであろう棒が●とひっついて反応して、、みたいな笑

あ、さてー、、
今回の講義内容も、非常に興味のある、最新の、これから日本で行われるであろう腫瘍免疫学的なアプローチ法についての講義でした。

腫瘍治療は外科療法、放射線療法、化学療法の組み合わせですが、今回の腫瘍免疫療法は化学療法の延長線でもあり、もしくは新しいジャンルとも言える療法かもしれないくらいの将来性がありそうだなと感じました。

腫瘍が何故発生し、増殖するかのメカニズムを知ることで、そのシステムを崩す方法が腫瘍に対抗する方法とすれば、研究すればするほど、少しでも副作用の少ない治療法が見つかり、患者である動物さんの負担がそれだけ少なくできる、という方向性には非常に共感できるものがありますね。

血がドバッと出たり、副作用で悩んだり、そういうことから少しでも遠ざかった、もっとスマートながん治療が将来行えればいいなと切に思うDr.BAOなのでした。

いやー、このジャンルは学術的にも非常に興味があります。

でも、実際の診療の現場では、これからも漢方も含め、優しい感じの治療法もどしどし組み入れていくつもりにしています。
でも、外科も逃げずに、立ち向かう姿勢は崩さず、要は、ご家族のニーズに的確に応えていける態勢をできるだけ作っていきたいと思うDr.BAOなのでした〜。

では、カゼなど召されませんように。
ご自愛下さい〜(^_^)ノノ゛




2016年11月28日月曜日

日本ペット中医学研究会 関西地区症例検討会@神戸 11/27

11/27(日)は、日本ペット中医学研究会 関西地区症例検討会@神戸に参加してきました。

私Dr.BAOは座長をさせて頂きました。

今回の予定は三部構成。
1. 会員先生のご経験からの、日常診療の中の漢方処方のTips
2. 新製品『熄風』の解説
3.JPCMのHPの「プチワンニャンドック」の解説

でしたが、1. 2.が長くなり、3.は省略でした。

不肖わたくしDr.BAOは正式に関西支部長という役職に就くことになりました。
微力ながら、JPCMの会員の皆様のために、そして何より、その先の患者様方、かわいいパートナーたちのために、がんばってまいります(`・ω・´)キリッ

(´-`).。oO(でも、ほんとーは、ずっと楽しい会のままでありますように)って、思ってますゞ笑

自由闊達な空気(他の研究会などではなかなか無いもの)を死守していきたいと思います。

2.の『熄風』ですが、てんかん、前庭疾患、認知機能障害などに使えそうです。
発売以来、バオでもてんかんの症例に使わさせて頂いております。

セミナー中、不覚にも何度かスイマー🏊と闘っておりましたが、イスクラの担当者の機転で、会場の先生に『熄風』が配られ、私は5粒飲みました。すると、スイマー🏊も睡魔も何処かへ。。効く! を実感しました。

『熄風』に限らず、Dr.BAOはすべての動物用漢方を飲んだことがあり、その中のかなりの種類を毎日続けて飲んでいます。
もう漢方前のわたくしではございません!笑
実際、そう感じて頂いている方はわたくしの周りにけっこういらっしゃると思います。たぶん笑

来年に向けて、この中医学も様々な切り口で、患者様方のお役に立てるよう、展開していく予定です。乞うご期待♡

雨の神戸、よかったです〜。
Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛

2016年11月22日火曜日

第37回 動物臨床医学会年次大会に参加して

11/19(土)午後〜11/20(日)はスタッフと共に、第37回 動物臨床医学会年次大会に参加して来ました。

この会にはこの時期毎年参加してきました。研修医時代からだから、もう32年連続で。

当初の会場は新大阪のホテルでした。
火事になったらみんなタヒぬって混み具合でした笑

で、だんだん会場は広くなり、最近はグランキューブ、大阪国際会議場です。

わたくしDr.BAOは、

「知っていれば診断できる犬猫の遺伝性神経疾患」
「極めてみたいエキゾチックペットの腫瘍性疾患」
「明日から使える眼科検査V ー動画で見る眼科検査・2ー」
「帰してはいけない外来患者ー腹部疾患編ー」

以上のセッションに参加しました。

ある先生が、こういう学会のセッションは1~2時間程度だから多くのことは得られないと。
でも、わたしは思います。長けりゃえーっちゅーもんでもにゃ〜、と。
今回、それぞれのセッションで、短い時間の中に、講師の先生が言いたいことをいかに盛り込むかに命をかけていらっしゃることがヒシヒシと伝わってくる良いセッションばかりでした。
そうなんです。講師のレベルも一昔前とは全然違うんです。

ということで、内容はすみません、省略しますが、それだけのことをDr.BAOが吸収して帰ったということを、診療を通じて患者様方にはお伝えしていきます。

少しずつの積み重ね。
地道な努力以外に、精進の道無し。(`・ω・´)✏️✨️

他の学会に勢いこそ負けつつあるこの学会ですが(山根先生すみません)、ここに来ることで、自分の位置を確認できる、大事な学会なのだということを、今年も確認した次第です。

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛


2016年11月17日木曜日

VMN Live! 『ビデオ解説』 ●脾臓摘出手術 ●小腸腫瘍摘出時の腸管吻合術

11/17(木)午後診終了後、VMN Live! 『ビデオ解説』 ●脾臓摘出手術 ●小腸腫瘍摘出時の腸管吻合術 を視聴しました。

WEB Liveオペセミナーでした。

今回はまず、脾臓摘出手術。
症例は術後の病理組織検査で過形成という診断の、とても大きな脾臓の腫瘤でした。
脾臓の腫瘤はエコーでも偶然見つかることも多いものですが、それが腫瘍か否か、良性か悪性かという術前の検査(針生検など)は、血管が豊富な臓器故に行わずに手術で脾臓摘出になることが多いですね。とくに大きな腫瘤ですと。良性悪性に関わらず、腹腔内で破裂してしまう可能性もあるわけですし、早期の摘出が必要となるわけです。
で、摘出後に病理検査で何者かを突き止めるわけです。
バオでも血管をシーリングする器械(リガシュア)導入後は脾臓摘出がとても速く行えるようになりました。

次に、小腸から大腸にかけて腫瘤ができた腸の部分切除。
字のごとく小腸と大腸は直径が違いますし、内腔の菌数も違いますので、吻合時は注意を要します。
大腸をまあまあ切除することになったようですが、その場合、大腸の働きである水分の吸収、便を調えるということが十分できなくなるので、便は常に軟便から軽度な下痢便になる可能性があります。

我々手術を行う側は、そうした手術そのものの危険性もさることながら、術後の考えられ得るリスクのようなことも、ご家族にお話し、十分納得の上で、メスを入れる必要があります。緊急の場合を除いては。。

そういうことを含め、何がベストでベターでグッドなのか。。よく話し合って、動物さんに適したことを進めていければと思うDr.BAOなのでした〜。

ではでは〜(^_^)ノノ゛

寒くなってきました。
あったかくしてお過ごし下さい〜🍀


2016年10月27日木曜日

VMN Live! 『右橈尺骨中央部横骨折 整復術(ライブ手術)』

10/27(木)午後診終了後、VMN Live! 『右橈尺骨中央部横骨折 整復術(ライブ手術)』を視聴しました。

症例は日本猫、16歳、避妊メス、体重2.2kg
橈尺骨は前腕部ですね。骨折理由はわからないとのことですが、外出するネコちゃんなら、交通事故か落下事故か、(あってほしくないですが)何らかの虐待か。。

今回は、髄内ピンによる整復でした。
橈尺骨は二本で一組の骨なので、どちらかだけの骨折は稀ですね。
今回もどちらも骨折していますが、整復固定は橈骨だけに行います。そうすると大概、尺骨の方もある程度正常な位置に整復されるわけです。

バオでもつい先日、成長期の柴犬で同じようなオペをしました。
ただ、今回のライブオペの例は横骨折でしたが、バオのケースは若木骨折的な斜骨折だったので、やや難易度が高かったです。バオのオペはプレートによる固定を行いました。

骨折オペは確かに最近は幸い減少しました。
ネコちゃんも圧倒的にindoorでの生活が一般化したのが大きな理由だと思います。大切なことだと思います。
あと残るは、小型犬の橈尺骨骨折。
これは、お家の中でも十分起こりうるからです。ちょっとした高さからの落下でも起こってしまいます。
ですから、小型犬を抱っこする時は気をつけて、ツルツルのフローリングで運動会をしないよう、気をつけていただきたいわけです。

骨折は痛いですし、完治まで少なくとも週単位、月越え、ですし、オペをしたらそれなりのコストがかかりますし。。
とにかく、ご家族が、いろいろ気をつけてあげてほしいと思うDr.BAOでした〜
(^_^)ノノ゛

See you♬

2016年10月18日火曜日

ペット中医学臨床応用講座「運動器障害の中医学対策」「中国の学会発表レポート」「新薬"熄風"の紹介」「方剤学」

10/16(日)の午後の部は、ペット中医学臨床応用講座「運動器障害の中医学対策」「中国の学会発表レポート」「新薬"熄風"の紹介」「方剤学」と、またまた盛りだくさんでした。

「運動器障害の中医学対策」では、現代医学的な「関節痛」は中医学的には「痺証」しびれ、痛み、こわばり、変形などを含むもので、気血の詰まり、滞りを「痺」というわけです。
関節痛の病因として
①肝腎虚損
②気血不足
③風寒湿邪
④瘀血痰飲(濁)

そして、『通楽』を中心とした衛星弁証について。

次に、中医学から見る運動器老化について
①腎虚→老化、体質
②脾虚→老化、慢性病
③血瘀→老化、慢性病、骨折

そして、運動器老化に対する補腎益気剤としての『源気』を中心とした衛星弁証について。

中国で発表した先生方の現地レポート報告がありました。
英語や中国語はこういう時に役に立つわけですよね。大事大事。。(._.)φ

次は新しい漢方薬『熄風』の解説。
今までも精神科の漢方として『静心』がありました。精神的なストレスを中心に処方してきましたが、
今回の『熄風』の適応症は、
①痰迷心竅…痰濁が心竅を閉ざして痙攣、震え、異常行動などの病症が起こること
②風痰阻絡…風痰が経絡を阻害することによって、眼振、震え、痙攣、半身不随などの病証が起こること
③心神不安…心身が不安定になり、精神抑鬱、不安、異常行動などの病証が起こること

などがあります。
つまり、てんかん、震え、前庭疾患、認知症、脳血管障害、鬱病、分離不安症、強迫性障害などに使用すると有効ではないかといわれています。

神経科、行動科の漢方ですね(^_^)ノ

動物さん達の心の中は、表情、行動パターン、付随する異常行動、神経症状などから推測するわけですが、fMRI (functional magnetic resonance imaging)の研究などがもっと動物医療領域でも進められると、脳のどの部分がどういう時に活動しているかがわかって、"なんとなく"の科学的な裏付けになるかもしれませんね。

動物さんの心療内科は興味あります。
いわゆるペットたちの病気には精神的なストレスはかなりのパーセント、何らかの形で関わっているはずでしょうから。

最後は「方剤学」
講師の包海燕先生はやさしいお母さんタイプの先生で、日本語も達者で、お母さんらしく(笑)大事なところの強調とそうじゃないところのメリハリをつけて話していただいて、非常にわかりやすかったです。
補気剤…四君子湯、補中益気湯、源気、
補血剤…四物湯、潤華
気血双補剤…帰脾湯、八珍湯
補陰剤…六味地黄丸、二至丸、滋潤
気陰双補剤…生脈散、参苓白朮散
補陽剤…八味地黄丸
安神剤…天王補心丹、酸棗仁湯
以上15種の方剤についてでした。

ふぅ💨
いやー、TOKIOは近いようでそうでもなく、そうでもないようで近いんですが、やはりちゃんと帰らないと翌日の診療に差し支えますから、無い後ろ髪を引かれつつ、のぞみちゃんに乗車して帰りました。
あ、今回は、ちゃんと座席におみやげを置いていたので、忘れませんでした(`・ω・´)ノ笑

おつかれさまでした〜
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛


ペット中医学入門講座「診断から弁証、処方までの流れ」

10/17(日)は日本ペット中医学研究会のセミナーを聴講しに東京まで行ってまいりました。

午前の部は、ペット中医学入門講座「診断から弁証、処方までの流れ」いつもの楊達老師が非常にわかりやすく解説して下さいました。

老師もおっしゃってましたが、今回の内容は、いままで学習してきたことの復習とのこと。こういう基本は何回も何回も勉強して、基礎を固めていくことは中医学上達の鉄則みたいなものだと確信しております。

中医診療の進め方は、、、

ステップ1: 症状チェック…四診(望診・聞診・問診・切診)を用いて進める

ステップ2: 証型の弁証…衛星弁証(基本病機を中心にメイン処方とし、プラス特異体質変化や異なる時期の病理変化に応じたサブの処方を用いる)を活用する

ステップ3: 治療案の確定と実施

ステップ4: カウンセリング…病状、治療目標、治療方法の説明

ステップ5: 再発を予防、健康維持…体質改善、『養生』の方法

で、その後の内容は、それこそ中医診療全般をギューーーッと凝縮した、すごく濃い内容でした。
それを3時間で話す楊達老師はやはりさすがです\(≧_≦)/m(_ _)m

午後に続く〜

Dr.BAOでした(^_^)ゞ


2016年10月13日木曜日

VMN Live! 1.『会陰ヘルニア整復術』(ビデオ解説) 2.『腸内異物除去』(ビデオ解説) 3.『膀胱鏡の施術例』(ビデオ解説)

10/13(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『会陰ヘルニア整復術』(ビデオ解説) 2.『腸内異物除去』(ビデオ解説) 3.『膀胱鏡の施術例』(ビデオ解説)を視聴しました。

Liveの外科解説ではなく、ビデオを観ながらの解説3件でした。

1.会陰ヘルニアは未去勢中年期以降のオス犬に多い病気で、おしりの横が腫れて(その中に直腸の一部や膀胱が出ているわけですが)、便や尿の出具合が悪くなる病態です。
今回は、腹壁に直腸を固定し、腹筋に前立腺を固定してから、おしりの横のヘルニア部分の整復をしていました。

2.腸内異物。今回は症状や稟告から、エコー検査をして、前腹部の異物を検知し、開腹に至ったと。レントゲンでは写らない異物もあるので、そういう時は造影剤を飲んでもらうか、エコー検査ですね。今回は小腸内に異物が見つかり、腸切開で解決しました。

3.膀胱鏡の施術例。膀胱鏡は硬性鏡なので、基本メスに行う処置ですが、オスの会陰尿道を切開してそこからのアプローチも行われるとのこと。
尿管開口部からガイドワイヤーを挿入し、それにカテーテルをかぶせて挿入し、腎盂までカテーテリングをした例でした。

いよいよ夜は肌寒くなってきましたね。
底冷えしないよう、かわいいパートナーの寝床もしつらえてあげてくださいね(^_^)ノ

ではでは、Dr.BAOでした〜
(^_^)ノノ゛


2016年9月29日木曜日

VMN Live! 1.『肝臓腫瘍』(ビデオ解説)2.『水圧式尿道オクルーダー』(ビデオ解説)

9/29(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『肝臓腫瘍』(ビデオ解説)2.『水圧式尿道オクルーダー』(ビデオ解説)を視聴しました。

ビデオを見ながら、講師の南先生が解説して下さる形式です。
最近興味津々の肝臓外科、『肝臓腫瘍』は内側左葉から発生した巨大な肝細胞癌。ただ、起始部がコンパクトということで、処理が比較的簡単に結紮作業ですんでいたようです。
腹部正中切開でも広く行えばけっこう大きな肝臓腫瘍も摘出できるんだなと。開創器はいろんな大きさがあるといいなと、いろいろ示唆がありました。

次の『水圧式尿道オクルーダー』というのは初耳でした。
尿失禁のケースに膀胱から続く尿道の周りに加圧式の平べったいリボンのようなものを巻き付け、膀胱からの尿の出方を物理的に調節するというもの。その装置につながる追加加圧のための装置も皮下に埋め込むというもの。
異物埋め込みはあまり好きではないDr.BAOですが、ダーダーに漏れていた尿がかなりコントロールされたと聞き、うーん、ご家族の喜ぶ顔も想像してしまい、そういう手もあるのだなと、一応確認した次第であります。

ここのところいろいろ激務続きのDr.BAOですが、なぜかしんどいときにしんどいことをしてしまう習性が、診療後webセミナーを視聴するという方向に向くという、すごい優等生っぽい流れですゞ笑

妙な気候が続きますが、ご家族、動物さん共にお気をつけ下さい!
Dr.BAOっした〜(^_^)ノノ゛


2016年9月27日火曜日

第147回JAHA国際セミナー「腫瘍外科最前線」(肝臓切除:古い方法と新しい手法)

9/27(火)午後診終了後、第147回JAHA国際セミナー「腫瘍外科最前線」WEBセミナー(肝臓切除:古い方法と新しい手法)を視聴しました。

このセミナーはリアルタイムで見れなかったもので、JAHA会員だとこうして後で配信されるwebセミナーまたは配布される(A会員)DVDで見れるわけです。

DVDって、見ないんですよね〜。。。
で、webセミナーを見ました。

うーん、表題"最前線"ちょっと言いすぎかな〜。。
先日の小出先生はもっと前から同レベルのことしていたし。

でも、確認や、繰り返しの講義で理解が高まるのはどの分野も同じですから無駄ではありませんでした。

ForceTriad、SonoCureなど、肝臓外科に得意な機器はバオに揃いました。
できることが広がるのはいいこと。
一次診療という現場で、できる範囲が広がることは、患者様方の利便性UPにつながりますよね。と信じて、オペでへろへろの心身を奮い立たせての視聴でした。な、たいそな(そんなおおげさな)笑。

ま、これ見ながら、入院のワンちゃんの様子見てたんですけどね(^_-)-☆

おつかれさまでした〜
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛




2016年9月11日日曜日

第82回 NAHA国際セミナー『行動学』

9/11(日)は、第82回 NAHA国際セミナー『行動学』を聴講しに新大阪へ。

大阪マルビル新館、だったよな。
9時〜、間に合わん〜(≧_≦)ノ走りましたがな。
汗だーだー💦
えーっと、本館、じゃ、あれが新館ε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛
ボードにNAHAがにゃい\(≧_≦)/
受付のおじさんに確認。ここは別館。新館となりorz=33
汗だーだーで、ギッリギリ笑
うちわを扇ぎながらのスタートゞ

ま、そんなことはさておき。。

今回の講師Dr.Vint Virgaはちょっと異色で、大学の先生とかではなく、企業や団体の相談役だったり、ラジオ・テレビその他のメディアでも有名という、小動物から野生動物までの動物と人間の関係性を研究しているとのこと。

今日の内容は、
●患者の看護に環境がどのように直接影響するか
●どの薬物となぜ?

●患者の看護に環境がどのように直接影響するか、では、
ストレスについて
恐怖
不安
恐怖症
転位活動
情動行動
強迫性行動
強迫性障害(強迫観念、衝動強迫)
自己指向的行動
自傷行動
転嫁行動
精神性障害
Enrichmentの効用
症例

●どの薬物となぜ?、では、
精神薬理学の最新情報、として、薬物的なトピックを。
このあたりは日本は認可が全然進んでいないので、個人輸入で患者様へのインフォーム後使用になりますが、早速調べて手配しようと思っています。

私としては、行動学的な問題は、できるだけ様々な生活環境を聞き、生物学的に、人間との関係学的にできるだけ解決できたらと思うのですが、、、これまた簡単なことではないです。これの専門医がいるくらいですから。Dr.BAOも会員です。
薬物治療は安易に行うべきではなく、Dr.Vint Virgaもおっしゃるように、行動修正と環境管理に反応しない症例に慎重に使用すべきとDr.BAOも考えます。

いわば、動物さんの心療内科ともいえる動物行動学。
これも興味あります。
この歳になって、興味だらけで困っていますDr.BAOでした〜
(^_^)ノノ゛





2016年9月4日日曜日

『肝外胆道系疾患の臨床』セミナー

9/4(日)は、『肝外胆道系疾患の臨床』セミナーを聴講しに尼崎まで行ってきました。

9月は季節の変わり目ですね。
涼しいかなと思いきや、今日はジリ暑でしたね。
尼崎までで汗ダーダーでしたゞ

さて、今日の講師は、出た! 大学の超優秀な後輩、岡山の小出先生でした。

ここだけの話、先生が繰り出すちょこちょこっとした昭和ジョークが面白いほど自分のツボにハマりまくりで、うつむいて肩を揺らしてました笑

あ、さて、内容はやはり素晴らしいものでした。

肝外胆道系の解剖・生理に始まり、診断、臨床病理学的検査、内科的治療、そして外科的治療。

小出先生は外科、とくに肝臓・胆嚢・胆管の外科では日本で何本かの指に入る先生なので、外科の話は特に参考になります。
応急的胆嚢ドレナージ
胆嚢切除術
大十二指腸乳頭括約筋切開術
胆管ステント留置術
胆嚢十二指腸吻合術
など

あと、各論として
胆嚢粘液嚢腫
胆嚢炎
胆石症
肝外胆管閉塞
胆泥
などについて。

肝外胆管閉塞の病態には膵炎が併発していることが非常に多い、っていうのは先週の宇根先生もおっしゃっていましたが、小出先生も画像などを使ってわかりやすく解説して下さいました。
周術期死亡率が犬の場合25%もあるのは、犬の肝外胆管閉塞がそういったそのほかの病態が非常に複雑にからんでいる結果なのです。

バオも超音波手術器を導入して、より安全に肝臓・胆嚢・胆管の外科が行えるように準備しました。

でもね、これ本心だけど、どんな医療器械も活躍しなくてもみんなが健康でいてくれたら一番だなと。

でも、そういう時が来るまで、できることをできるだけ増やして、少しでもみんなが元気になってくれるように努力を重ねていく所存ですよ。

大学の後輩、でも立派な先生。
なんとなくあの頃の自分を思い出させてくれてありがとね。

じわっときてるDr.BAOでした😭




2016年9月2日金曜日

VETS CHANNEL『薬物持続投与の基本操作』

9/2(金)午後診終了後、VETS CHANNEL『薬物持続投与の基本操作』を視聴しました。

WEBセミナーです。

麻酔も麻酔薬の進歩、麻酔機器の進歩、モニタリングの進歩などから、30年前とはかなり変わりました。30年前の麻酔はかなり職人技的な要素も多く、特に麻酔薬とモニタリングの点で、そうだったと思います。

時は流れ、より安全・安心な麻酔のためにいろいろ進歩しました。

バオでも最新の麻酔器、モニターの導入に伴い、わたくしDr.BAO自身がかなり安心してオペができるようになりました。
先制鎮痛もかなり前から実施して、以前よりかなり早期の食欲回復などの利点が得られています。

あと、もう少し、術中持続鎮痛をうまく使えるようになるとベターだなと、今回のセミナーを視聴したわけですが、かなり基本的なことだけだったので、やや残念。
講師の長濱先生は気鋭の麻酔専門医。最近いろいろある専門医の麻酔医版。獣医領域でもほんと最近は専門医の先生が増えましたね。
こういう麻酔専門医の存在は、オペをする術者がオペに専念できるというすごいメリットがありますね。
ま、周りのスタッフにそういうスキルを持ってもらえるように、院内・院外・Webセミナーを活用していくことが現時点での我々のやり方ですけどね。

(鎮痛治療も含めた)麻酔も大事というお話でした。

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛


2016年9月1日木曜日

VMN Live! 『膀胱結石摘出術』

9/1(木)午後診終了後、VMN Live! 『膀胱結石摘出術』を視聴しました。

Webセミナーです。今夜のLiveは『膀胱結石摘出術』。
ノーフォークテリア、5歳7ヶ月、避妊メス。
頻回尿、血尿ということで来院。
レントゲン、エコー検査で膀胱内に径7mmの結石(シュウ酸カルシウム)有り。

ということで、膀胱切開による結石摘出手術、、のはずが、いろいろ操作している間に結石が破砕??
摘出するものがなく縫合へ。。。
そーですかー。出ませんかー。
というオペでした。

でも、ま、膀胱切開→縫合は見れたし、結石が小さい時の膀胱切開における注意点みたいなのを自分なりに考えたという収穫有り、かな。

バオでも、もうすぐこのオペがある予定だし、参考になりました。
いままでもバオでもこの膀胱切開はけっこうある方のオペですが、やはり全く同じということはあり得ませんし、様々なケースを見ることは勉強になりますね。

だんだん長くなる夜。
バッタ系の虫が鳴いてますね。
読書に燃えています(`・ω・´)✏️🔥

季節の変わり目。
温度管理など、かわいいパートナーのために配慮してあげて下さいね(^_-)-☆

Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛




2016年8月28日日曜日

『胆嚢・胆管の外科』小動物診療技術講習会(大阪市獣医師会)

8/28(日) 『胆嚢・胆管の外科』小動物診療技術講習会(大阪市獣医師会)に行ってまいりました。

講師はネオベッツVRセンター副代表の宇根先生。

バオではある手術器械を購入予定(明日届く予定)なので、今回のテーマの胆嚢・胆管の外科はその応用範囲なので、ぜひ聴かなきゃと、へろへろのカラダに鞭打って行ってきたわけですゞ

さて、その内容ですが、すごくクレバーな宇野先生らしい、いい構成でした。
まず、解剖から始まるのはお決まりでした。
そして、胆嚢・胆管の疾患、検査法、内科治療、手術の選択、そして手術法の解説でした。

手術法の解説は
胆嚢切開術
胆嚢摘出術
胆嚢十二指腸吻合術
総胆管十二指腸吻合術
総胆管切開術
胆管吻合術
胆管洗浄
という内容でした。

で、そこで終わらず、各疾患のケーススタディーでそれぞれを復習し、最後のコーナーはそういった分類からはみだすような症例の報告という4時間のセミナーにして、かなりの充実感でした。さすが!

さて、その手術器械に関しては、またHPかどこかでご報告致します。

もうほんと、鞭打たれて か・い・か・ん 笑
な、Dr.BAOでした〜\(≧_≦)/w

2016年8月18日木曜日

VMN Live! 『慢性外耳炎に対する全耳道切除術』

8/18(木)午後診終了後、VMN Live! 『慢性外耳炎に対する全耳道切除術』を視聴しました。

Web Liveセミナーです。

今回の症例は↓
(ウェスト・ハイランド・ホワイトテリア、14歳、避妊メス)

【稟告】慢性中耳炎および耳道周囲の膿瘍

【検査】CT検査および感受性試験

左鼓室包内および左外耳道に占拠物。
感受性試験にて薬剤耐性菌。

⇒ 中耳炎の治療を繰り返すも改善が見られないため、
  本日、ライブにて全耳道切除術を実施。

というものでした。

今回の症例も耳道内にポリープ状のものがありましたが、耳道内に腫瘍などが存在する場合、このオペをする前にやはりCT検査は必要ですね。と耳科専門の先生もおっしゃってました。

バオはCT撮影を現在、主に北摂ベッツセンターに依頼していますので、このオペをする際には前もってCTを撮ってもらってからということになります。

それと、このオペの場所には顔面神経が走っています。ひどい耳道炎を起こしているとそれだけでも顔面神経麻痺症状が出ることがありますし、このオペ後にはある程度の割合で軽度から重度までの顔面神経麻痺が出ると言われています。

耳道の炎症から解放される代償としてのマイナス(顔面神経への影響)を上回るプラスが得られるなら、オペを進めても良いのでしょうね。
インフォームドコンセントを通して、ご家族のお考えも一致すればの話ですけどね。

現在バオでは、このオペをせず、地道に対応している例があります。
ご家族が全耳道切除を望まれていないからです。ならばその方針に沿って全力で取り組む。それがバオのやり方です。

お盆休み無しのお盆明けはカラダがキビシーっ\(≧_≦)/
ガンバルー\(≧_≦)/☆
Dr.BAOでしたー\(≧_≦)/w


2016年8月15日月曜日

VETS CHANNEL『頭外側切開による股関節へのアプローチ(右後肢)』

8/15(月)午後診終了後、VETS CHANNEL『頭外側切開による股関節へのアプローチ(右後肢)』を視聴しました。

ウェブセミナーです。
このサイトのオペ動画は画像が綺麗なのでイイですね。
この動画はそれほど長いものではないですが、日頃遭遇することの多い股関節外科の復習のために視聴しました。

外科のためには解剖、とくに術部の局所解剖がどれだけアタマに入っているかでオペ時間がかなり左右されますので、Dr.BAOも避妊・去勢など以外のオペでは緊急のものを除いては、あらかじめ局所解剖などを確認してからメスを入れるようにしています。

この股関節へのアプローチも昔は大転子の骨切り術をしていた時代もありますが、最近はほとんど筋間を切開していくこの方法をDr.BAOもとっています。
できるだけ手術侵襲を少なくするためには大腿骨頭だけを触る場合はその方が優れています。骨盤骨折などの場合は骨切り術をした方が手術時間の短縮になる場合もあります。

30年間、いろんな勉強をしてきました。

獣医療の領域でも専門分化が進みつつあります。
良いことでもあり、逆の面もあります。
ただ、訴訟などの重い問題のことを考えると、一次病院的な我々一般動物病院がこれから果たしてどこまでやるのが良いのか、正しいのか、望まれているのか、それらすべてを考えながら、我々は勉強する内容も考えていかねばならないのだろうなと思っています。

昔ながらのDr.BAOはそういう専門病院など一軒もない状態からのスタートで、大学病院も診療内容が??の時もあり、みたいな時代でしたので、自分自身でやらざるを得ない状態だったわけで、全科を勉強せざるを得ない状況だったわけです。

全科にわたり二次病院が整っているわけではない現在、やはり、やれるだけ一次病院でがんばる姿勢は大事だと思いますし、二次病院との適切な連携も大事だと思います。

ネット情報もピンキリ。
何を信じても良いか、の判断も難しいところ。
信頼できる獣医師とのやりとりで、ネット情報の良否を相談し、その動物さんのベスト、ベターをいつも考えていける態勢を整えていけると良いですね。

Dr.BAOもそういうお役に立てるよう、日夜精進タヒぬまで〜

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛



2016年8月8日月曜日

ペット中医学臨床応用講座「腫瘍」「台湾における中獣医学の臨床応用」「症例発表」

8/7(日)午後の部は、ペット中医学臨床応用講座「腫瘍」「台湾における中獣医学の臨床応用」「症例発表」というこれまた盛りだくさんな午後でした。

まず「腫瘍」これは鄒先生による、小動物の腫瘍性疾患の中医学の応用というすごい内容でした。でもこれも1時間くらいの内容なので、すっごいabstract的な内容でした。

Dr.BAOはこの腫瘍と中医学もすごく興味を持っていて、「中医腫瘍学」も勉強ちうなのです(^_^)✏️✨️
で、なんと!その書籍の著者なんですよ、鄒先生は!!
本持って行って、サインしてもらおうか、とも思ったんですが、東京まで重たかったのでやめました笑

で、内容は
1.ペット腫瘍の発症推移
2.悪性腫瘍の基礎知識
3.悪性腫瘍に対する中医学の認識
4.中医学の「癌毒」と悪性腫瘍
5.露華と西伯利亜の応用
というものでした。

次は急遽決まった台湾の中華亜太小動物中医学会の蔡承郁理事長による特別講演でした。
実際の症例にどのように対応しているかという非常に参考になる内容でした。

次は会員先生の症例発表8件。そしてその中から、優秀賞をみんなの投票で決めるというものでした。
みごとawardを獲得したのは、血小板減少の子宮蓄膿症のポメラニアンの症例に源気と西伯利亜と通淋、潤華を使いながら点滴治療してからオペまでこぎ着ける、というものでした。
うーん、なるほどこういう症例にオペ前に、漢方を使う発想は確かに新しいものですね!

かなり詰まった内容にただでさえ暑さでニュルけた脳みそがエラいことになりつつ、帰りの新幹線ではワインなんか飲んじゃったもんで、網棚に上げたお土産を新大阪駅下車時にみごとにすっかり忘れて帰ってしまったDr.BAOでした。あちゃー(≧_≦)ノ


、、、翌日である今日、落とし物センターに取りに行ったDr.BAOなのでしたー。。

お疲れSUMMER〜にゃはは〜

いや、マジで、熱中症対策、お願いしますよ〜
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛


ペット中医学入門講座「八綱弁証と病因弁証の応用」

8/7(日)は、ペット中医学講座を聴講しに東京さ行ってまいりました。

ま、それにしても暑かった〜。でも、大阪よりはマシでしたね。縦長日本列島を体感してきました笑。

午前の部は、ペット中医学入門講座「八綱弁証と病因弁証の応用」という内容をいつもの楊達老師が解説して下さいました。

『弁証論治とは』に始まり、『食生活の異常による症状の弁証』まで、2時間半くらいでモリモリの盛りな内容でした💨ふぅ。

このあたりの所はDr.BAOは自習で『中医弁証学』を読んで勉強ちうなのです。

とても2時間半で終われる内容量ではないのですが、それをギュッと圧縮して語れるのが楊達老師のすごいところなのですよ。
そういうややこしい内容をさらにイスクラ産業の動物用漢方に結びつける職人技!

それで、我々は日常の診療の中で、動物用漢方をそれぞれの症例にさらに正しく使っていくことが出来るというものです。

講義の具体的な内容をここで書く意味はあまりないように思いましたので、以上のような感想を述べる形にしました。

で、午後に続く〜。

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛


2016年8月5日金曜日

VMN Live! 『肥満細胞腫摘出(陰茎全摘)および会陰尿道瘻造瘻術』

8/4(木)午後診終了後、VMN Live! 『肥満細胞腫摘出(陰茎全摘)および会陰尿道瘻造瘻術』 を視聴しました。

今回の症例は、チャイニーズクレステッドドッグ 8才 オスのペニス包皮に肥満細胞腫ができて、ペニスも一緒に切除するので、尿道開口部を新たに会陰部に作るというものでした。

肥満細胞腫はよくみる腫瘍のひとつ。
皮膚表面に出来たものは細胞診でも特徴的なものは院内でもだいたい診断がつきます。(オペ前提のものはバオでは更に検査センターに検体を出させてもらっていますが)

今回の肥満細胞腫は場所が悪すぎたということで、ペニスまでとることに(≧_≦)
まあこのあたりも、この外科ライブセミナーをやっている病院が二次病院的なところだからということもあると思いますね。
通常の一次病院でなら、包皮だけの切除でしばらく経過を見るのではと思ったりもしました。
肥満細胞腫の切除にはけっこうマージンをとることになりますので、皮膚が引っ張ってこれる場所なら、通常の縫合で大丈夫ですが、皮膚の少ない四肢その他では、皮膚をはるばるもってくるような有茎皮弁のようなやり方が必要なこともあります。

けっこう男性獣医師には心理的抵抗のあるオペでしたが、時間はそれほどかからず、質問コーナーが長かったので、Dr.BAOもいろいろ質問しました(^_^)

バオは中医学にもチカラを入れていますが、外科もそれなりにがんばっています。
手術機器もまた新規導入を考え中です。
すべてはあなたのかわいいパートナーのために。。的な(^_-)-☆

ではでは、暑い毎日が続き脳みそニュルけそうになりますが、がんばりましょう\(≧_≦)/
ちなみに〜、お盆休みはありませ〜ん。日曜のみの休診で〜す。

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛


2016年7月21日木曜日

VMN Live! 1. 腸切開による異物摘出術 2. トゥルーカット生検(肝臓) 3. 頸 部椎間板ヘルニアに対する腹側減圧手術 4. 「胃小腸バイパスおよび壊死小腸摘 出後、腸管端々吻合術」

7/21(木)午後診終了後、VMN Live! 1. 腸切開による異物摘出術  2. トゥルーカット生検(肝臓)  3. 頸部椎間板ヘルニアに対する腹側減圧手術  4. 「胃小腸バイパスおよび壊死小腸摘出後、腸管端々吻合術」を視聴しました。

Liveではなく、ビデオの解説でした。

まず4. は、
【症例】小型雑種犬、避妊済みメス、7歳
【経過】
 半年前より持続する体重減少(5kgから3kg)
 嘔吐の精査、下痢はなし
【一般身体検査】
 体重3kg、T 38.9 P 150 R 30
 かなり栄養状態が悪く、脱水も見られる。
【血液検査】
 WBC=13800、Hb=12.4、Plt=421000、BUN=18、Cre=0.4
 GPT=25、ALP=252、ALB=2.1、CRP=5.6、Lip=63
【腹部超音波検査】【無麻酔CT検査】
 腹腔内管状構造物に液体貯留像あり。
 消化管との連続性は不明
 
 → 以上の検査所見により、試験的開腹をライブ配信で実施

【手術所見】
 ・重度の胃拡張
 ・広範囲に小腸の捻転とうっ血、一部は壊死
 ・壊死腸管の吻側に腸壁が肥厚した狭窄部位を確認
 ・同部位を生検後、無処置にて閉腹

という症例の再手術。
空腸側側吻合術と、回腸?端々吻合術でした。
でも、術後2日で突然死、とのことでした。
飼い主さんが希望されたオペとのことですが、複雑な気持ち。
ま、納得されれば、いいといえばいいのですが。
わたくしDr.BAOはどうしてもまず動物さんの気持ちを考えてしまうので、何回もオペをするのはどうしても考えてしまいます。
今回の症例も、1回目の開腹で、できるだけの事をする態勢を整えて、1回で済ます努力をする方が良いのではと思ったりもしました。

1.は種が空腸に詰まった例。
「種」果物の季節のこれからはほんと気をつけて下さいね!!

2.は、1.の例で、肝臓に腫瘤があり開腹時に生検したと。
質問で、腫瘤小さいから摘出で良かったのでは、とのツッコミ。
Dr.BAOもそう思いました。

3.は頚部椎間板ヘルニアの腹側アプローチによる減圧術。
椎間板ヘルニアはグレードによりオペが必要とDr.BAOは考えています。グレードが低ければ鍼治療、レーザー治療、漢方も含めた内科療法で症状改善例がまあまああるからです。
グレードの高いものは飼い主様の希望により、CT検査、オペの流れの場合もあります。
すべてケースバイケース。飼い主様との話し合いの結果によります。

というような内容でした。

暑くなってくると、ご来院の時間帯も結構みなさんシンクロしちゃいますよね。
涼しめの朝イチ、日が落ちて少し温度が落ちた午後診後半。
病院内部は新しいエアコンでそこそこ冷やしております。
冷やしちゃいけない動物さんは、先にお預かりして、冷房のない部屋に移したりもしています。
移動の手段、にもよりますね。
駐車場からの移動数分間。が勝負?笑
クーリンググッズなどをうまく使って、ご来院下さい\(^_^)/

Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛〜♪


2016年7月20日水曜日

アポキル®錠 発売開始記念企画 第2弾 SPEED KING 〜犬における次世代のかゆみ治療薬〜

7/20(水)お昼から夕方の合間に、"SPEED KING 〜犬における次世代のかゆみ治療薬〜"のウェブセミナーを視聴しました。
今回の講師は、東京農工大の西藤先生。めっちゃ関西弁笑。

表題にもあるようにアポキル錠発売記念セミナー第2段だけど、まだ病院には届いていない。

もう出ると思いますが。。

使ってみたい症例がいくつもあって、そんな話を少し前からしていて、患者さんからもまだか?のツッコミが入りそうですよ。

イイお薬みたいですね。
あとは価格がどうなんだろ。
副作用は?というところだけど。
副作用に関しては、この薬剤自体の副作用は、尿路感染・膀胱炎、嘔吐、下痢、外耳炎、膿皮症、あとは造血系などの血液疾患も可能性があるかもです。

お薬である以上、副作用とは無縁ではないわけですね。

ただ、メーカーから聞こえてくるのは、ステロイドよりはイイってことですね。
使ってないので、実際わかりませんが、治験段階の専門医からはそのような話ばかりが聞こえてくるわけです。
信じたい。
でも、鵜呑みはダメだ。
心の声がささやいています。

ひさびさ、出たとたんに使い始めるであろうこの薬を、できるだけその前に実体を捉えてやろうと、情報ある度にチェックしているDr.BAOでした〜。

もうほぼ梅雨明けですね。
夏を、快適に、かわいいパートナー共々過ごしていただくために、ご家族も今一度、いろいろ考えてあげて下さいね\(^_^)/\▼・ェ・▼/\=^_^=/

ではでは〜(^_^)ノノ゛


2016年7月14日木曜日

VMN Live! 1.『試験開腹術』 2.『キアリ様奇形』  

 7/14(木)午後診終了後、ウェブセミナー VMN Live! 1.『試験開腹術』 2.『キアリ様奇形』を視聴しました。

内容は、
1.『試験開腹術』
(猫、アビシニアン、去勢雄、5歳)

 3日前から頻回の嘔吐と食欲不振で来院

 初診日に造影検査を実施。胃から造影剤が排出されなかった。
 翌日エコー検査を実施。十二指腸あたりが高エコーとなっていたが、
 明らかな異物や閉塞性病変は検出されなかった。

⇒ 内科的に治療したが反応がうすく、嘔吐も落ち着く様子が無かったため、
  試験開腹を提案

2.『キアリ様奇形』
 (犬、キャバリア、避妊雌、7歳9ヶ月)

2015年11月
 当院受診
 以前よりスクラッチ行動あったが、10月下旬より頸部痛を認めた。
 院内の神経学検査にて
  ・左側前後肢不全麻痺
  ・左側外側斜視
  ・左側軽度斜頚

 内科治療を実施。
  ・プレドニゾロン1mg/kg、ST 20mg/kg、ファモチジン0.5mg/kg

2016年4月12日
 内科治療に対し、反応はみられるもののプレドニゾロン減量で、
 再発するため、MRI検査を実施
 軽度の小脳ヘルニアと腰椎にまでおよぶ中心管の拡張をみとめた。
 キアリ様奇形と診断

2016年5月18日
 外科手術を実施。
 翌日より起立、歩行可能。頸部痛は消失。
 術後2日目にはよく走るようになった。
 その後、経過は良好。内科治療は実施せず。
というものでした。

試験的開腹。いろいろ有用なものではありますが、なかなか我々一般病院では、おすすめしにくいもののひとつです。
血液検査、レントゲン検査、エコー検査、場合によっては内視鏡検査などを駆使して、診断を詰めていくわけですが、内視鏡検査まで行うのであれば、どうせ全身麻酔が必要なので、それならばの選択肢として、試験開腹は意味があるように思います。
ただ、だいたい調子悪いので、いろいろ検査が必要なケースなので、そこへ検査のための麻酔、というのに抵抗があるのはよくわかります。わたくしDr.BAOもなるべく避けて通りたい道ではあります。。
このウェブセミナーを配信している先生の病院は二次病院的な病院なので、一歩進んだ処置が行いやすい背景があると言えます。

キアリ様奇形とは、後頭骨形成不全、脳脊髄空洞症などを伴う病変。形態的な異常がベースになっているので、奇形と言われています。
バオでも小型犬を中心にたまにみられます。バオにはMRIがないので、北摂ベッツセンターまたはネオベッツVRセンターに検査を依頼します。

セミナーは以上でしたが、その他の質問も含め、今日はいろいろ質問しましたDr.BAOでした。

ではまた〜(^_^)ノノ゛〜

暑いので、ご家族、かわいいパートナー共々、ご自愛下さい〜



 

2016年7月11日月曜日

WJVF 第7回大会に参加して

7/10(日)は、WJVF 第7回大会@ホテルニューオータニ大阪に参加しました。

今回は、入院のワンちゃんの治療をしてからの参加となりましたので、午前はゆっくり企業展示を見て回りました。ん?企業の数、減ってるよね。なんか活気もないし。。て感じでした。なんちゃらミクスはどこへやら。。

さて、お昼ランチョンセミナーは、『慢性腸症へのアプローチ』と題して東京農工大の大森先生の講演。ランチョンセミナーは企業協賛でお弁当を提供してもらいながらセミナーを聴講するわけです。ま、獣医師軍団はそのあたり案外クールにこれはこれそれはそれができる人が多いので(たぶん)お弁当もらうから商品を推奨するには直結しません(`・ω・´)ノ笑
で、内容は、IBDを中心に、鑑別診断、そしてその際の薬剤の効果的な使用法について、でした。要はIBDを内視鏡を入れてバイオプシーしても確定診断には至らない、ならば、試験的治療をうまく使っていこうということでした。いままでバオでやっていたやり方です。

午後からはまずマネジメントセミナー2本を聴講しました。
『ブラックと呼ばせない!』
『何人雇用して大丈夫?』
の2本でした。
まだまだ"雇用"に関しては改善できることが多いなと感じました。努力を続けていきます。

最後のセッションは『臨床家のための外科的止血法』ということで大阪府大の秋吉先生の講演でした。
薬物的な止血もありますが、テーマは外科。ということで、とにかくまずは圧迫止血。そして鉗子による止血。結紮・クリップによる止血。電気的処理による止血。止血製剤による止血。の順番でした。めっちゃ大阪弁でした笑
外科の出血は避けて通れない道ですが、解剖の確認、経験、予測などである程度は防げますし、少なくできると思われます。器械などは優秀なものを用意していますので、あとは、、術者のウデ、、ですね。これまた日々精進〜!!

あ、去年、サザエさんのように財布を忘れてカフェに行くという大失態をかましたので、今年は、何回も確認して、鞄ごと持ってカフェでカプチーノすすりながら、般若心経の勉強してましたDr.BAOでした〜

にしても暑い(≧_≦)ノ
くれぐれもくれぐれも、熱中症になりませんよう、ご家族が注意してあげて下さいね!!
ではでは〜


2016年6月30日木曜日

VMN Live!『仙結節靭帯、坐骨骨膜を用いた両側会陰ヘルニア整復、結腸固定、 去勢手術』

6/30(木)、VMN Live!『仙結節靭帯、坐骨骨膜を用いた両側会陰ヘルニア整復、結腸固定、 去勢手術』を視聴しました。

会陰ヘルニアは未去勢の雄犬に多く見られるもので、初期は便が出づらそう、という主訴でお連れになるケースが多い。
で、直腸に指を入れて中を調べてみると、横の方向に空隙(直腸憩室)ができていることが多く、そこに便がたまって、きばっても便が出づらくなる。
早くに外科をするか、しばらく緩下剤や食事療法などで経過を見るかは、その都度その症状の度合いとご家族との話し合いで決まっていく。

ヘルニアが酷いケースでは、あまり経過を見ず、早めに外科をおすすめしているが、軽度な場合は経過を見ている気がする。
未去勢の雄犬、それもご高齢の場合が少なくないからである。

外科は、直腸や場合によって(膀胱がヘルニアに入っている場合)は前立腺を腹壁に固定し、肛門横の会陰ヘルニア部の残っている筋肉や筋膜や腱と肛門括約筋を非吸収性の縫合糸で縫合してヘルニア部を縫縮する。

再発率が低くはないオペだけれど、オペの工夫次第やオペ後の内科療法で再発率は下げられると思う。

ちなみに若い時に去勢手術をしたオスはあまりこの病気にはならない。
去勢手術のメリットのひとつである。

てな感じの内容でした(^_^)ゞ

今日で6月も終わり。
明日から7月!
といっても、べつにどうってことなく、がんばるしかありましぇん!(≧_≦)ノ☆

皆さんもご自愛下さい〜
Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛〜


2016年6月27日月曜日

日本ペット中医学研究会 関西地区症例検討会@神戸 6/26

6/26(日)は日本ペット中医学研究会 関西地区症例検討会@神戸に参加しました。

この会JPCMは動物用漢方を中心に、鍼灸・薬膳などの中医学を獣医療にとりいれ、日々の診療から情報をフィードバックして会員みんなで共有して、それをまた日常の診療に応用していくという趣旨の会です。

私は関西支部長ということになっております(ほんまかいな笑)いやほんま。

あ、さて〜〜
今回は会員の先生から3症例の報告がありました。
1. アトピー性皮膚炎のトイプードル
2. クッシング症候群のフレンチブルドッグ
3. 腎結石・尿管結石・膀胱結石のアメリカンショートヘア

主治医の先生のご努力もあると思うけれど、どの症例も粘り強く、良い時もそうじゃない時も漢方治療を続けて、症状の改善に繋げていた。
結果がすぐには出にくい。
漢方治療をすすめていて、やはりどちらかというとその傾向は否めない。
そこで早くに見切りをつけてしまうか、あるいは辛抱強く粘って漢方治療を続けるか。。
私は当事者であるけれど、客観的にも後者をおすすめしたい。
やめるのはいつでもやめられる。
でも、治癒のウェーブにうまく乗っかるのには、やはり少し根気が要る、と思う。
良くなると信じる。
たぶん、それしかないと思う。

西洋医学、特に人の医療の分野でも、従来のやり方以外のアプローチの仕方が見直されている。

動物の医療は、ある意味人の医療よりも自由であると思うし、せっかくのその自由さを活用しない手はないと、思って、自分も中医学を勉強しています。

あ、それと今回は学術委員長も来神(神戸に来る、ってこれでいいんですか?笑)されて、ご自分の考え、診療の進め方など貴重なご講演をされた。
はっきり言って、めっちゃ感動しました(≧_≦)ノ
この方のお人柄もあるでしょうが、とにかく滑舌良く、はっきりとした言葉で、声を張りながら、ご自分の思いを語られた。
日本中の動物と共に生活しておられる方々にお聞かせしたいくらいの内容でした。

で、当然、わたくしDr.BAOのモチベーションも100倍UPしたことは言うまでもありません。

ではでは〜
Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛〜



2016年6月20日月曜日

JAHAスペシャリストセミナー『画像診断攻略 ~特に超音波検査を極める~』

6/19(日)はJAHAスペシャリストセミナー『画像診断攻略 ~特に超音波検査を極める~』を聴講しました。

3日構成の今回のセミナーの3日目の内容は、"尿路系と前立腺/ 胸部を中心に"というものでした。ほんとは3日通しで参加したいのですが、なかなか平日は休めない状況なので、日曜だけ参加させていただいております。

尿路系とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道、あとペニスや外陰部を含めることもあります。
バオでも泌尿器疾患の診断や定期健診にエコーはよく使います。
診療がバタバタし始めると、少しだけ「エコー検査見たいけどどうしよう、、、」と思う瞬間がありますが、やってみるとそんなに時間もかからず、見て良かったになっていることが多いと思います。

あと、心臓を含めた胸部疾患に対するエコー検査について、でした。
心臓エコーに関しては本当に簡単な解説でしたが、逆に『それだけは!』の部分がよくわかった気がします。で、案外心臓以外の胸部疾患にもエコー検査が有効であることが確認できて有意義でした。

明日からはエコー検査やるよ、って入れていたエコーのスイッチをつけっぱなしにしていると思います笑。たぶん。

我々業界の繁忙期が終わった今くらいから、また、セミナー・学会は多くなります。
頑張りますっ(≧_≦)ノ

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛


2016年5月29日日曜日

猫のウイルス感染症マスター

5/29(日)は『猫のウイルス感染症マスター』DVDを視聴しました。

セミナー・学会に参加して、、、とちょっと違いますが、まとまった勉強をしたということで、今回はUPします。

講師は石田卓夫先生。1980代に猫のエイズウイルスが発見された時は大学の先生で、よくテレビにも出ていた眼鏡の先生です。

内容は、、、
猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症
猫モルビリウイルス感染症
猫コロナウイルス感染症
猫白血病ウイルス感染症
猫免疫不全ウイルス感染症

、、、といった、現在の臨床において、ほぼ網羅していると言える内容でした。

ただ、専門的に深く掘り下げるというよりは、臨床現場で知っておかなければならないことを整理して、わかりやすく解説してくれていました。

ふんふん、とふーん、といった、確認と新たな発見がまだありました。
頭の中、だいぶ整理できました。

感染症ですから、接触させないなど以外は予防策はなく、また、かかってしまうと、完治も難しいものも多いということで、いろいろ言われていますが、今更ですが、予防できるもの(ワクチン)はしましょうと。

ただ、これもWSAVA2015ガイドラインによるワクチン接種プロトコールがまだ臨床現場には浸透していないこともあり、これからの課題ですね。

バオでのワクチン接種プロトコールは近いうちに変わっていくかなと思います。

ワクチン接種に関しては、電話ではなく、直接診察時にお伝えした方が良いと思います。

バオではご家族の納得を土台に診療を進めていきますので、診察時に疑問をなるべく残さないようにして下さい。
ただし、質問などはなるべくまとめて、箇条書き的にして下さい。一段落してからまたひとつ、またひとつ質問されますと、ちょっと大変ですので。笑

ではでは、明日以降、マスターとなった猫ウイルス感染症に関して、どうぞご質問を🐱☆

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛



2016年5月22日日曜日

アポキル錠 発売開始記念企画 犬の痒み治療 セミナー

5/22(日)、ウェブセミナー 「アポキル錠 発売開始記念企画 犬の痒み治療」を視聴しました。

今回は企業セミナー。
企業ものはあまり視聴しないのですが、今回のはアトピー性皮膚炎の新しい治療薬ということで、聴かねばと約2.5時間つきあいました。

おきまりの企業からのプロモーション的なパートもありましたが、メインは日本獣医皮膚科学会会長 永田先生の「犬の痒み 最新の話題」でした。
永田先生は講演慣れしているというか、司会の企業の人などよりよほど流暢に講演されていました。聴きやすい。

その中でいくつかこれからの治療の参考になるものがありました。

その中でもプロバイオティクスの話があり、腸管免疫の奥深さを再認識しました。

最近バオでもプロバイオティクス推しですからね(^_-)-☆

アポキル。あとはもう少し副作用のことや金額的なことがクリアしたら、実際6月のいつかからは使えるようなので、もう少しお待ち下さい。

Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛



2016年4月22日金曜日

VETS CHANNEL 『瞬膜腺整復術(ポケット法)』

4/22(金)午後診終了後、VETS CHANNEL 『瞬膜腺整復術(ポケット法)』を視聴しました。

いわゆる"チェリーアイ"という状態。
瞬膜というのは目頭から少し出ている膜状の構造物。第3眼瞼ともいいます。
その中にある瞬膜腺が腫れて逸脱した状態を整復するポケット法。

瞬膜の内側の辺縁側と眼球側の両方に横方向に切開を入れ、それを縫合することで、中に逸脱した瞬膜腺をポケットの中に収めるという手法。

瞬膜腺逸脱はビーグルやコッカーなどで時々見られます。

バオで一番最近のケースはチワワさんでした。
で、同じポケット法で、うまく整復できました。

このセミナー術者の小野先生は昔から眼科を得意とし、多くの症例をこなしてこられました。オペの縫合もすごく丁寧でした。

イイ仕事。ご家族の満足。我々の喜び。

そんなイメージが湧いてくるオペ画面でした。さすが。

バオでは、専門医へ行く前に、本当に専門医が必要な症例か否か、そこを判断する大切な役目を担っていると思っており、我々一次病院でも十分対応できる症例をひとつでも多くするべく、日夜こんな風に精進しておりますm(_ _)m

Dr.BAOでした😃🐶🐱


2016年4月21日木曜日

VMN Live! 1.『尿管ステント抜去』 2.『ペニス切除・尿道瘻形成術』

4/21(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『尿管ステント抜去』 2.『ペニス切除・尿道瘻形成術』を視聴しました。久々のweb Live!

ステント。いまやいろんなステントがありますね。
で、今回は尿管結石の除去後設置してあった尿管ステントを血尿が続くので抜去したと。
設置するのはけっこう大変ですが、抜去は膀胱小切開ですぐでした。

2.はペニス包皮に肥満細胞腫ができたという特殊なもので、術者の南先生はペニスごと切除して、残存するペニスの途中の尿道を切開して、会陰部に尿道瘻を増設していました。
で、質問でいろんな先生が、包皮の腫瘍がペニスに浸潤することが基本なければ、ペニス残せなかったのか?というツッコミ多数あり。(実は自分もそう思いました苦笑)
しかも、ペニス断端ではなく途中の尿道で造瘻という点も??でした。

いろいろ突っ込まれて、南先生半分キレてましたが、キレちゃだめですよ。みんなお金払ってるわけですし苦笑。

うーん、、南先生も加味逍遙散飲んだ方がイイのでは。。。

おつかれさまでした〜
Dr.BAOでしたฅ(⌯͒• ɪ •⌯͒)ฅ



2016年4月19日火曜日

VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【第2回 皮膚感染症の診断と治療ー後半 】

4/19(火)午後診終了後、VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【第2回 皮膚感染症の診断と治療ー後半 】を視聴しました。

もう関口先生の虜ですね笑

皮膚科シリーズ驀進ちうですε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛

あ、さてー、、、
今回の内容は、「マラセチア皮膚炎の臨床所見」「マラセチア皮膚炎をどう診断する?」「マラセチア皮膚炎の診断・治療する」「抗真菌性シャンプー・外用剤」「皮膚糸状菌症の臨床所見」「皮膚糸状菌症の原因と特徴」「皮膚糸状菌症を治療する」「皮膚糸状菌症を診断する」「犬の毛包虫症の臨床的特徴」「猫の毛包虫症の原因」「毛包虫症の診断」「毛包虫症を治療する」など
でした。

皮膚病は、何々病ってひとつの診断だけで片付けられるものが、こじれているものには特に少ないと思うんです。

アレルギーベースの膿皮症だとか、クッシングベースの糸状菌症とか。とかとか。

つまり、ルーチン検査で"何か"が見つかったとしても、あわてて何々病って、決めつけないで、その背景などをじっくり考えてとりかからないと、症状をややこしや〜にしてしまうことになりかねないと。

ま、それはさておき、オクンカイヾ(ーー ;)
今回も盛りだくさんでした。
確認と、新しい発見、ちゃんとどちらもありましたよ😃⭐️

ではでは、Dr.BAOでした〜😃🐶🐱ノノ゛


2016年4月18日月曜日

VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【第2回 皮膚感染症の診断と治療ー前半 】

4/18(月)午後診終了後、VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【第2回 皮膚感染症の診断と治療ー前半 】を視聴しました。

関口先生の皮膚科シリーズ、ようやく第2回の分です。

webセミナーじゃなく、大阪である程度定期的に開催されているのですが、なかなか時間などが合わないのですが、こうやってwebでなら、時間があれば見れるのでとても便利です。

今回の内容は、「炎症とかゆみのある疾患の診断アプローチ」「膿皮症の分類」「表面性膿皮症は臨床的特徴から診断」「化膿性外傷性皮膚炎」「表面性膿皮症の治療は要因の除外」「表在性膿皮症に含まれる疾患」「粘膜皮膚膿皮症を治療する」「膿痂疹を治療する」「表在性拡大性膿皮の臨床所見」「膿皮症の診断」「膿皮症で一般的に使用される抗生物質」など
と、またまた盛りだくさんでした。

ふむふむ、ふーん、の今日はふーんが多かったです。というのもどの科も常にリニューアルされている訳ですが、薬剤特にシャンプー剤で新しいものがあったりで、とても参考になりました。

ところで、九州地方で今回の震災で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。
Dr.BAOは、大阪版VMATのARTの一員ですので、もしかしたら、お呼びがかかるかもしれません。もしそういう時は、また別のtwitterかHPでお知らせしますね😃ノ

twitter→ https://twitter.com/animaldoctorBAO

HP→ http://www.bao.jp

では、Dr.BAOでした〜😃🐶🐱ノノ゛


2016年4月12日火曜日

VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【 第1回ー③ 皮膚科の検査と診断的アプローチ 】

4/12(火)午後診〜午後診終了後、VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【 第1回ー③ 皮膚科の検査と診断的アプローチ 】を視聴しました。

ここんとこ、この関口先生の皮膚科セミナーをシリーズで視聴しています。

今回の内容は、「皮膚掻破検査」「毛包虫症の病理所見」「搾出テープストリッピング法」「皮膚掻破検査の手順」「毛検査」「皮膚糸状菌症の毛検査のポイント」「真菌培養検査」「アレルゲンを探す」「ノミ・食物」「食物負荷試験」「アレルギー検査の評価」「稀な原因を探す」「脱毛の原因を探す」「非炎症性脱毛症」など
でした。

ふんふん、ふーん、といった感じは今回も同じ。
新しい内容も含まれていて、勉強になりました。

なぜDr.BAOが皮膚病にこだわるのか?

開業当初から皮膚病はかなり勉強してきましたが、前回も書きましたように、皮膚科疾患はそれこそ診ない日はないんじゃないかと思うくらいの頻度で来院されます。

そしてまた、多くの場合、それそのもので命に関わることも少ない。
しかし、動物さん達は痒みその他で苦しんでいる。

急性のものもあるけれど、多くのものは慢性経過をたどる。

つまり、皮膚科は西洋獣医学と、中医学を合わせていくと、非常に良い治療ができるのでないかと思うわけです。

それと、このセミナーのコンセプトの「現在の正確な基準を学ぶ」というところに意味があると。もう一回頭の中を整理したかった、というのもあります。

まだまだ続く関口先生の皮膚科セミナー。
スピーカー(講師の先生)がイイと聴いていて疲れません😃
がんばりまーす\(^_^)/

Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛


2016年4月11日月曜日

VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【 第1回ー② 皮膚科の検査と診断的アプローチ 】

4/11(月)午前診終了後、VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【 第1回ー② 皮膚科の検査と診断的アプローチ 】を視聴しました。

前回の続きです。

内容は、「表皮のpH」「皮脂膜」「毛の成長周期」「犬の汗について」「基本的な皮膚検査」「押捺塗抹検査の方法とポイント」「皮膚掻爬検査」などでした。

だいたい今回も、ふんふん、ふーん、でした。

ルーチン、というコトバを以前から使っていましたが、昨今は伝わりやすくなって助かっていますが、「じゃあ、ルーチン検査としての皮膚の掻き取り検査をしますね」といってもご理解いただきやすいわけです。

で、たまたま寄生虫などが検出できた時は内心『あ〜、やっといてよかった〜』と安堵するわけです。診療バタバタしてる時など、ちょっと省略しようかな〜という悪の心の声がするわけですが、それに打ち勝ち、やっといてよかったな、と。(な、たいそな笑)

皮膚病は科としてご来院件数が多い科ですね。
それだけにルーチンに、いろいろヤラネバのおっさんなのですw

すんません、しょーもないこと言いでm(_ _)m

ちょっと春疲れか、、、
がんばれ!! 自分!\(^_^)/w

Dr.BAOでした😃


2016年4月9日土曜日

VETS CHANNEL 現在の正確な基準を学ぶ【 第1回ー① 皮膚科の検査と診断的アプローチ 】

4/9(土)午後診終了後、VETS CHANNEL "現在の正確な基準を学ぶ【 第1回ー① 皮膚科の検査と診断的アプローチ 】"を視聴しました。

このセミナーは大阪で現在もシリーズで行われているもので、その1回目。
多分他のセミナーとバッティングしたとかで行けなかったものです。

で、このVETS CHANNELに入会したら、観れたということで、ラッキーです。

講師の関口先生は、女性で、各地のセミナーの人気スピーカーです。
確かに話がおもしろいです。人気があるのもわかります。

今回のパートの内容は、「人の皮膚・犬の皮膚」「人と犬の表皮の違い」「犬の表皮成長」「表皮を構成する細胞」「紫外線の影響」「日焼けに関わる要因」「紫外線予防の重要性」「正常な免疫反応とアレルギー」など
でした。

だいたい、ふんふん、と確認と頭の整理、ときどき、ふーん、とインプット、的な。

皮膚病も過去相当勉強した分野ですが、いろいろ新しい情報はどの分野でもあるわけで。
Dr.BAOは特に免疫系には興味津々ですね。

その昔、Nature日本語版とかで免疫特集の号などは食い入るように見てましたね。
細胞と細胞がくっついたり、何かを放出したりするイラストが何故かすごく好きでした。

今日はここまで。
Dr.BAOでした(^_^)ゞ


VETS CHANNEL 『肝臓外側左葉切除術』

4/9(土)午前診終了後、VETS CHANNEL 『肝臓外側左葉切除術』を視聴しました。

このブログは"バオ動物病院の獣医師がセミナー・学会に参加して勉強したこと"をご報告するというコンセプトブログなのですが、VMNも、この度会員になったVETS CHANNELもwebでオペの動画だとか、webセミナーとかを視聴できるサービスで、VMN(veteriary medical network)の外科ライブに若干??の面があったので、新しく会員になって、違う先生のやり方も見せていただくことにしたわけです。

今回のオペ動画の術者の中島先生はご自分で"手術屋"と称して、全国をまわって各地で外科手術を請け負ったり、セミナーをしている外科専門医なのです。

Dr.BAOも何回もセミナーを聴講したり、実習セミナーに参加もしています。

が、やはりこのwebセミナーのいいところは、停めたり、戻したりできるところですね。(Live版は無理ですけどね)

今回の肝臓外側左葉切除術はバオでもForceTriadという非常に優秀な電気メスとシーラーが合体した器械を導入した後で行って、リガシュアやスプレーでスムーズに出来ています。
器械も大事です笑

肝臓には肝臓癌をはじめいろいろな腫瘍が出来ます。
外科適用かどうかは、バオでもCT検査を北摂ベッツセンターで行って判断しています。

今回、中島先生は電気メスのバイポーラは使いましたが、それ以外は手作業で進めていました。ただ、肝葉の根元のところはまあまあ残存していたので、さらに細かくするとすれば、そこをキューサーで整理して、脈管結紮して、切除かなと思いました。

カタカナ表記の器械は全部そろえると、1000万超えって感じですね笑
いや、笑じゃなくて、マジです笑
まあ、それだけ大変なオペでもあるわけです。

ではでは、このあたりで。
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛



2016年4月7日木曜日

VMN Live! 1.『肥満細胞腫の摘出手術』2.『鼻孔拡張術』3.『会陰尿道瘻造瘻術』

4/7(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『肥満細胞腫の摘出手術』2. 『鼻孔拡張術』3. 『会陰尿道瘻造設術』を視聴しました、のはずが、急なオペで内容変更 1. 『子宮蓄膿症』2. 『鼻孔拡張術』になりました。

子宮蓄膿症はメスの犬、猫、ウサギその他の動物にも起こる可能性があり、多くのケース手術が必要になります。
今回のケースのチワワさんは、子宮の一部に腫瘤塊もあったようで、病理検査待ちとのことです。
子宮蓄膿症はなってからの経過が長いと、かなり一般状態が悪化していることも多く、オペの危険度が上がり、オペ後の予後も良くないこともあります。
避妊手術をしていない動物さんは、ワンちゃんでしたら生理後(だいたい2ヶ月内外)、ネコちゃんなら発情していた後などは注意して外陰部の様子や食欲や飲水は多くないか(子宮蓄膿症は大概飲水が多くなります)、などを観察して下さいね。

鼻孔拡張術は短頭種のワンちゃんや鼻孔が特に小さいスコティッシュさんなどに適応されるオペです。鼻翼という小鼻の一部を切り取って縫合することにより鼻の穴を広げるオペです。短頭種のワンちゃんはグーグー、ガーガー、呼吸がしんどそうなことが多いですよね。まず鼻の穴が小さければ、広げてあげることで他の一連の短頭種の気道狭窄症候群も防げるかもしれませんし、軟口蓋過長があれば、同時オペも必要かもしれません。
グーグー、ガーガーいっているワンちゃんは酷くならないうちに、主治医の先生にご相談下さいね。

尿道のオペは今回の予定はワンちゃんの腫瘍がらみのものだったので、ぜひ見たかったので、途中質問ではなくちょこちょこ「見たい」チャットを送っていたのですが、、、ダメでしたorz...

くそー、質問も2つ没にされたし。。。

他の獣医師向けのサイトに引っ越すぞー
相手してくれー(T^T)w

傷心のDr.BAOでした🍃


2016年4月4日月曜日

ペット中医学臨床応用講座「消化器」「方剤学2」

4/3(日) 東京イスクラ産業で行われたJPCMのペット中医学講座、午後の部は臨床応用講座として「消化器」「方剤学1」を勉強しました。

「消化器」では、脾と胃の生理・病理、病証を学び、舌診、他の臓腑との関連、治療原則と処方などを学びました。
こうした内容も、繰り返し繰り返し、今までも勉強してきているものですが、その都度新しい発見、気づきがあるものです。

次の「方剤学2」では、ちょっとハプニングが。。。
講師の先生がスライド2枚ほど解説した後、スライドを変えたとたん、先生自身がフリーズしてしまったのです。表情、視点、蒼白な顔、そのまま、えっ? どうした? 大丈夫か? って、心の中でみんながツッコミ始めて2分ほど、ずっと同じ状態。さすがにスタッフ、他の先生が中国語で話しかけられて、抱えられながら退場されました。ちょっとびっくりしました。その後の先生のご快復を祈っています。

で、この講義も楊達老師の出番となりました。
方剤学はバオで扱っているイスクラ産業の動物用漢方の話とは違い、一般的な中薬を処方した方剤の勉強。これは実際初耳のものも多く、ついて行くのに必死です(≧_≦)ゞ
早速、前回の講義の後、密林で方剤学と中薬学の本をポチりました。が、内容は講義と同じく、険しい内容です笑
これからも中医学がんばります\(^_^)/

というのも、中医学には「未病」を治すという考え方や、治療のあと、その状態を保つための「養生」という方法もあります。
西洋獣医学にはない考え方なのです。
いままでなすすべがなかったところを中医学が埋められるかもしれないなと、そういう可能性をひしひし感じています。

おつかれさまでした。
Dr.BAOでした(^_^)ノノ゛


2016年4月3日日曜日

ペット中医学入門講座「五行学説と臓腑弁証」

4/3(日)はイスクラ産業@東京に、ペット中医学講座を聴講しに行ってきました。
午前の部はペット中医学入門講座「五行学説と臓腑弁証」講師はいつもの楊達老師〜m(_ _)mへへー

五行学説では、宇宙間のすべての事物は木・火・土・金・水という5種類の物質の運動と変化によって生成すると考えます。事物の異なる性質、作用、形態をそれぞれ木・火・土・金・水という五行に区別して帰属させます。

このあたりのことは、Dr.BAOの別のブログ"バオ動物病院の『薬膳』への道"に書いておりますので、ぜひご覧下さい(^_^)ノ→ http://trachimedvetbao.blogspot.jp/2016/03/3.html

もうひとつの臓腑弁証は、蔵象学説に基づくもの。西洋医学の解剖概念ではなく、生理・病理概念なのです。
五臓と六腑はそれぞれ対を為して、陰(臓)と陽(腑)を形作る。
心ー小腸
肺ー大腸
脾ー胃
肝ー胆
腎ー膀胱

でここからぶわーっと、五臓と六腑の生理と病理、弁証を勉強しました。

このあたりのことは今までも何回も聴いてはいるものの、内容が豊富なので、その都度少しずつ理解度が深くなっていくのを感じます。

今日のまとめは、
当面の我々の中医学診断の進め方は、、、
1. 臓腑のポイント症状から臓腑を絞る
2. それに気・血・津液・寒・熱をあわせていき、弁証する。
という形。

西洋医学中心でやったきた我々には比較的進めやすいやり方だと思いました。

究極、かなり直感的に四診から弁証論治をどんどん実際進めていけるように、まあとにかく精進あるのみですね(≧_≦)ノ

で、午前の部は終了です。

次は午後の部へ〜






2016年4月1日金曜日

JAHA webセミナー 『ケーススタディから考える服務規律の役割』

4/1(金)、午前診終了後、JAHA webセミナー 『ケーススタディから考える服務規律の役割』を視聴しました。
JAHA(日本動物病院協会)には開業以来30年会員です。途中、日本動物病院福祉協会になった時もありましたが、また元に戻っています。
Dr.BAOはずっと一会員として参加させていただいております。(同年代の先生はけっこう役職を経験されていますが、、。)
で、開業当初は、JAHAの国際セミナーとLLLセミナーに必ず参加していました。で、また必ずお会いする先生もおられて、自然と話をさせていただいたり。
「先生、そのうち家庭崩壊しますよ笑」と言われ、あははと言っていたのですが。。。
。。。
あ、さてー、
今日のテーマ、『ケーススタディから考える服務規律の役割』このようないわゆる学術ではなく、経営的なwebセミナーもJAHAはやってくれるので助かっています。

今回の内容で印象に残ったのは、
「おしゃれ」= 自己表現
「身だしなみ」= 相手への配慮
ということでした。つまり、職場では、相手(ご家族)のことを第一に考え、相手へ不快感を与えないように配慮しなくてはならない、ということですね。

経営に関しては、動物病院院長といえど、ほとんどの方がいわゆる素人です。それぞれいろんな形で勉強するしかありません。

スタッフが気持ちよく働ける環境を作るため、今日も情報収集に余念のないDr.BAOでありました〜。つづく(って、つづきあるんかいっヾ(ーー ))

今日のは、コーヒータイム〜的な内容でした。
失礼しました〜(^_^)ノノ゛


2016年3月28日月曜日

日本ペット中医学研究会 関西地区症例検討会@神戸

3/27(日)は日本ペット中医学研究会 関西地区症例検討会@神戸に参加しました。

JPCM(日本ペット中医学研究会)も私Dr.BAOが入会した頃から倍の会員になったようで、この関西地区の症例検討会も回を追うごとに参加者数が増えていて、結構なことだと思います。みんなで切磋琢磨して、良い診療をする、かわいいパートナーたちのために。ですからね(^_^)

さて、今回の症例は、
1. 肝酵素の上昇
2. 皮膚糸状菌感染症
3. 免疫介在性溶血性貧血
4. タンパク漏出性腸症

でした。
それぞれの発表、質疑応答、中医師(楊達老師〜m(_ _)m〜)の中医学的ご解説、という構成です。

それぞれの例で動物用漢方がうまく使われ、それぞれ西洋薬にはない効果を出せていたように思います。

弁証論治の仕方、中医学的な思考の流れなど、まだまだ中医師の先生に教えていただいて、なる、とほどを略したくもなります(出典参考"我が輩は猫である")笑

西洋医学的アプローチ(+中医学的アプローチ)という形態はこれからもバオのやり方になるでしょうね。
本格的に中医学診療をすすめていきたいものの、診察には問診も含めやや時間がかかりますので、もし中医学診療をご希望の方は昼間の時間をご予約いただく形になります。

この関西地区は全国でもトップクラスの活気のある会らしく、今度本部の学術委員長も視察に来られるとのこと。光栄です( ̄ω ̄*)ノ

また来週はJPCMの基礎講座・応用講座@東京があります。
Dr.BAOは行く予定にしております。

昨日、三宮に向かう阪急電車の車窓から春模様を眺めていましたが、夙川の桜もまだでしたね。ほんの少し、2分咲きってとこでした。ちょうど今週末が見頃では。
皆様の地域はいかがですか?
花冷えもしますでしょう。油断されず、かわいいパートナーの様子も観察お願いしますね(^_-)-☆

ではではDr.BAOでした(^_^)ノノ゛



2016年3月24日木曜日

VMN Live!『膀胱腫瘤切除』

3/24(木)午後診終了後、VMN Live!『膀胱腫瘤切除』を視聴しました。

症例は、バーニーズマウンテンドッグ、5歳、避妊メス。
頻尿で来院。超音波、細胞診で移行上皮癌の診断。
CT検査の後、オペ。

移行上皮癌のオペ適応は、100%切除可能なもの、リンパ節転移がないもの、と執刀の南先生。
これに関しては以前あったのですが、バオでも同じように移行上皮癌の診断がついたダックスで、しかし発生部位が膀胱三角(腎臓から来た尿管が膀胱に入る場所←外科で非常に触りにくい)だったので、全部取れないのでオペ適応でない、内科的に治療しましょうと言ったのですが、切ってくれるところを探すと帰られました。その後、どうなったんでしょうね。。

さて、バーニーズマウンテンドッグは大型犬。その膀胱の半分以上切除することになり、あと粘膜、漿膜二重縫合。腰骨下リンパ節はバーニーズだと正常サイズとのことで切除せず、で閉腹。というものでした。

南先生の所でも最近、シュウ酸カルシウム結石が多いとのこと。バオでもそうです。
スツルバイト結石とは違い、溶解食はないので、出来てしまえばオペなわけですが、結石にならないまでなら、食事療法で予防できるかもです。

ある程度定期的な尿検査はそういう意味でも必要かもしれないですね。

出来れば切ればイイ、ではなくて、出来ないようにする。
我々の仕事も本来ソコだと思っています。

おつかれさまでした。
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛






2016年3月14日月曜日

解剖から学ぶ軟部組織外科の基礎と手術手技の実際パートⅢ

3/13(日)は『解剖から学ぶ軟部組織外科の基礎と手術手技の実際パートⅢ』を受講しました。

朝から診察1件済ませて急いで尼崎へ。
just on time!
一番前の席に座れました。とはいっても講師に近い一番端。
講師は日大の浅野先生。。。
知ってる人は知っている。おなかが邪魔でスライドが〜〜笑
ウソウソ、ちゃんと見れました笑

さて、内容は、
1. 下顎切除
2. 上顎切除
3. 耳道外科
4. 甲状腺+上皮小体
5. 上部気道外科
という盛りだくさん。

下顎・上顎切除は当然骨切り作業がありますが、神経ブロックと止血さえきちんとすれば、あとは軟部外科と同じですね。細胞診について、質問しました。
耳道外科、腫瘍再発のケースで少し困っていて、参考になりました。
甲状腺外科はややこしくならない内なら、バオには講師の浅野先生推奨のForceTriadがありますので、比較的容易に切除できます。
上部気道外科、短頭種気道症候群はバオにもたくさんおられます。ただ、すぐオペが必要なケースはそんなにおられません、幸い。
少し前に東京まで行って勉強してきた気管虚脱のための気管ステントはその後重症例がなく、オペの機会なし、これも幸い。

いや本当に、幸いだと思っています。
みんな病気なく、元気で、幸せに暮らしていただく事が、私Dr.BAOの心から願う事だからです。actually!

その日が来るまで、タヒぬまで闘います。

ではでは、Dr.BAOでした(^_^)ゞ


2016年3月10日木曜日

VMN Live!『腸閉塞を疑う症例』

3/10(木)午後診終了後、VMN Live!『腸閉塞を疑う症例』 を視聴しました。

今日の症例は 、9才のヨーキー。
3日前より嘔吐、昨日は下痢及び食欲減少
CT、エコー検査で、特別の閉塞部分は見つからなかったが、開腹して確認とのことでした。

で、実際開腹して、異物や腫瘤はなく、腸のバイオプシーを2カ所して閉腹。
という内容でした。

質問というか、ツッコミがけっこう来ていました。
私も機能性イレウスの疑いもあるのだから、温めた生食による腹腔洗浄はなぜしなかったのか?というツッコミを入れましたが、ニュアンス変えた質問にされちゃいました怒。

そもそも、必要のない外科は絶対にしない主義ですので私は。
今回のケースは????ウーン????ですね。

まあ二次的病院としては、そうなのかなーと。

このセミナー主宰のM先生も自分とほぼ同世代。
私は最近、漢方やらなにやらで、更年期やら何やらの対策をいろいろしていますが、M先生はどうだろう? 質問などに対してけっこう切れてるし笑

ここの会員になっていると、いろんな他の先生のセミナーも視聴できるし、いいかなと、続けていますが、M先生がそんなだと、この先どうなのかなと、最近思い始めております苦笑
がんばれ!同世代!

皆様も、三寒四温なこの季節、ご自愛下さい〜
ではでは、Dr.BAOでした〜(^_^)ノ゛






2016年2月29日月曜日

ペット中医学入門講座「気血津液と気血津液弁証」

2/29(月)午後診終了後、先日2/7(日)に開催された日本ペット中医学研究会(JPCM)・第1回ペット中医診断学入門講座「気血津液と気血津液弁証」をウェブセミナーで視聴しました。

この日の午後の部の応用編は参加したのですが、午前の部は他の予定で欠席したので、本日UPされたので、早速視聴したわけです(^_^)✏️

さて、講師はいつもの楊達老師。
中国なまりの日本語がしびれます笑

精気血津液。

精は生命の生命活動を維持し、人間の生長、生殖を促進、および臓腑の機能活動を生じる基礎物質。現代医学でいうホルモンに近いもの。

気は生体の元気さと新陳代謝を維持する能力とエネルギー。また、臓腑や経絡、各組織の働きあるいは機能。

血は現代医学の血液に類似、人体の臓腑・組織・器官を滋養し、人体にとって不可欠な栄養物質。

津液は体内における各種の正常な水液の総称。また唾液・涙・涕・汗・尿などもこれに含まれる。

これらが虚したり、滞ったりすると、病気につながっていくわけで、中医学ではそれを補ったり、疎通させたりして治療していくわけです。

こうした中医学の基礎はいくら勉強してもしきれない、したりない、といつも感じます。

講師の楊達老師も(老師は中国語で先生という意味です)幼い頃から中医師だったおじいさんのそばで中医学に触れていたといいます。もう染み込んでいるんですよね。(裏山笑)

五十路半ばもすぎたおっさんがどれだけダッシュしても、やはり本家にはかないませんね。西洋獣医学をベースに、中医学のイイところを採り入れて応用していくというバオの方針はこれからも変わりませんが、Dr.BAOが文字共に老師になった頃、中医学中心に香を焚いた薄暗い診察室で銅鑼の音や二胡の音に包まれながら、半目をあけて、ふむふむとやっている、という姿が、見えます(そんな占い師おったな笑)

はやく春らしくなってくれい!(≧_≦)ノ

ではではDr.BAOでした〜⭐️





2016年2月25日木曜日

VMN Live! 1.『猫の腎臓腫瘍摘出術』 2.『猫の肝外胆管閉塞に対する整復術』

本日2/25(木)午後診終了後、ウェブライブセミナーのVMN Live! 1.『猫の腎臓腫瘍摘出術』 2.『猫の肝外胆管閉塞に対する整復術』を視聴しました。

1.は腎臓の腺癌だったとのことです。オペ前は無症状で、検査で多血症が見られたとの事です。無症状のオペはなかなかいろいろ難しいですよね。今まで食べていた子が一時的にせよ一旦食欲低下はやむなしでしょうし。。ま、うまくいけば術後、術前よりも元気になってくれるかもしれませんし、今回の執刀医(南先生)もそれを狙っての事でしょうし。
ご家族がよく決断されたなと思う症例です。

2.はよくわからないシスト状のものが総胆管開口部あたりにできていて、胆汁の通過障害が起きて重度な黄疸が出ていたケース。胆嚢がらみのオペは多くなってきています。胆管の疎通障害があると、オペの方法にはいくつか選択肢がありますが、予後などを考えたベターな方法が望まれます。
今回はシスト状のものにチューブを設置して、胆汁が流れやすくする方法でした。臨機応変ですね。
でも、チューブはその後よくつまってしまうので、、、
胆嚢と小腸をひっつけるオペもありますが、私Dr.BAOはそれは最後の方法だと思っています。できれば総胆管から十二指腸へのライン確保が望ましいかと。ま、どうしてもだめなら仕方ないのですが。。

このライブセミナーはオペを実際行いながら、あるいは今日のように録画を見ながら、というものです。

我々が対象としている動物さんは長くて寿命20年だったりします。
そのあたりもヒトとはだいぶ違うところで、オペに対する考え方にもそのあたりはいつも関係してくるのですよね。

切り刻みたくはない、でも、それをしなければ、、、のケースや、それをすれば楽になれる確率が高いもの、などは私Dr.BAOもある程度積極的にご家族にお話しします。でも、高齢の動物さんに対するオペは、最近はだいぶ考え方が変わってきています。
父と母の最期をみてきて、いろいろ考えるようになりました。

動物さんの事だけでなく、ご家族のご意向も伺い、医療面でなにができるのか、なにができないのか、よくお話しして、動物さんにどうしてあげるのがベスト、ベターなのかを常にご相談しながら進めていこうと思っています。

まだ夜は冷え込みますね。
動物さんが寒い夜を過ごさなくていいように、気をつけてあげて下さい。

ではではDr.BAOでした(^_^)ノノ゛〜


2016年2月21日日曜日

「動物の防災を考える —動物病院での備えと、動物看護師にできること—」

2/21(日)はペピィアカデミックフェスタのプログラムの中の「動物の防災を考える —動物病院での備えと、動物看護師にできること—」を受講してきました。
講師は特定非営利活動法人ANICE代表 平井 潤子先生。

わたくしDr.BAOは大阪府獣医師会の動物救護等対策委員をしている関係もあり、上記のセミナーに参加いたしました。
出てみて、これだけのために日曜午後使った甲斐はありましたね(^_-)-☆

明日から、バオの患者様方にも防災という視点でも少しずつ診療を通して、お伝えしていけたらと思っています。

さて、その内容ですが、まず阪神淡路大震災を体験した人なら、あの揺れが、東日本大震災を経験した人ならあの揺れやその後のことを思い返し、実体験がなければ録画などを通し、もし今、その揺れが来たらどうするかを常にイメージすることが大事だと。

そのイメージの中で、自分がどう行動するか、いろんなシミュレーションをしてみて、結果、今、自分が何をするべきか、周りの人たちに何を伝えるべきかを機会あるごとに考えていく。そして、実際に周りの人を含めて、訓練などの形で実際に動いて、さらなる問題点を探り、改善に繋げていく。
だいたいそういう内容だったと解釈しました。

そんな中で、「その動物の普段の健康を考える事が、結局、万が一の災害時もその動物の為になる」というような趣旨のこと、そして、「犬の社会化はその飼い主さんにしかできない、その子の役に立つ災害対策である」というような趣旨のことが印象に残りました。

動物さんと生活する事は、非常にプライベートな事であるけれど(特に猫さんやその他小動物さんは)、災害時にはどうしても自分以外の他者との接点ができてくるはずです。ワンちゃんは散歩などを通じて、早くから家の外との接点ができることからも、その社会化が大事なご家族の仕事のひとつになるわけですが、その他の家庭動物にも共生し始めた日からその動物さんの社会に対しての責任をご家族が担う自覚が必要なのだと。

確定申告が終わったら、待合のフォトフレームで流す防災のスライドショーも作ろかな(^_^)ゞ

で、帰りにGOKANの豆乳プリン"大美五豆"ととらやの"雪紅梅"を買って帰りました☻

Dr.BAOでした(^_^)ノ



2016年2月18日木曜日

VMN Live! 1.『術前に発生部位の特定が困難であった腹腔内巨大腫瘤摘出』 2.『鼠径ヘルニア』3.『軟口蓋過長症』

2/18(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『術前に発生部位の特定が困難であった腹腔内巨大腫瘤摘出』 2.『鼠径ヘルニア』3.『軟口蓋過長症』を視聴しました。

いつものウェブライブセミナーでした。

1.の症例はCT検査でもどこから発生しているかがはっきりしない腫瘤ということで、開腹して以前のオペの十二指腸から再発したGIST(消化管間質腫瘍)ではないかということでした。
バオにはCTはありません。できるだけ(がんばって)エコーで診断します。しかし、それでも脾臓からか肝臓からか迷う時も場合によってはあります。で、北摂ベッツセンターへCTの依頼をする場合もあります。
今回はCTでも診断がつかなかったとのことで、そういう症例もあるわけですね。

2.鼠径ヘルニアはあまりひどいものは見ませんが、全体的に女の子のワンちゃんに多い気がします。で、避妊手術の際に一緒に整復することが多いです。酷くなってからよりもいいかなと思っています。

3.短頭種に多い軟口蓋過長症。いわゆるのどちんこが垂れ下がりすぎていて、呼吸がしづらい症例ですね。ガーガー言っているあれです。シーズー、ペキニーズ、パグ、ヨーキー、ブルドッグ、、、少し肥満するだけで非常に症状が悪化しますから、短頭種のワンちゃんは太らせてはダメですよ(^_-)

今日も質問みっつしました、Dr.BAOでした〜
では、まだ夜は冷えますので、油断召さるな〜
(^_^)ノノ゛


2016年2月10日水曜日

ペット中医学応用講座「中医皮膚病の弁証論治」「方剤学1」

2/7(日)のJPCM(日本ペット中医学研究会)@東京の午後の部のペット中医学応用講座に行ってきました。
1. 楊暁波中医師による「中医皮膚病の弁証論治」
2. 薛叶祥中医師による「方剤学1」

といった内容でした。

どんな病気でもそうなんですが、中医学の得意領域は急性疾患より慢性疾患なのではと日頃感じております。中医師の先生は急性症でも中医である程度対応できるとおっしゃるでしょうが、やはり動物医療の現場では急性症では何らかの結果をなるべく早く出したいと思いますので、今まで使い慣れた、ある程度結果が予測できる西洋医学的アプローチで進めることになります。

逆に慢性化した病態には、漢方は非常にチカラを発揮するのではと感じる今日この頃です。
で、皮膚病も急性湿疹などは別として、アレルギー性皮膚炎や脂漏症などは漢方の比較的得意とするところではないかと。

バオではアレルギー性皮膚炎が疑われた場合、アレルゲンの検査をおすすめしています(費用が結構かかりますので、もちろんご相談して進めていますが)。その上でご家族とご相談して食事療法、内服、外用、シャンプー剤などを決めていきます。そんな中で、中医学的アプローチをおすすめしているケースも最近けっこうあります。で、そこそこの結果が出ているのも確かです。そういう意味で皮膚科における中医学の役割は大きいと感じています。

次の方剤学は、中薬(日本でいう生薬)を組み合わせたものが方剤。
例えば、麻黄湯は麻黄、桂枝、杏仁、炙甘草を調合したもの。
それぞれの中薬がもつ薬理作用を組み合わせて、中医の治法の八方(汗法、吐法、下法、和法、温法、清法、消法、補法)に合わせて使用する。

現在、バオで扱っている漢方は、イスクラ産業のペット用漢方。
ただ、イスクラ産業の中医師の先生もおっしゃるように、現在それらですべての病気に対応できるわけではない。で、新製品の開発もどんどん進んでいるらしいけれど、それらにももちろん中薬が調合されているわけでもあり、中薬学、方剤学を学ぶことは大変役に立つとのことで、講座が設けられたのです。

なかなか手強い内容ですが、早速翌日「中薬学」「方剤学」ついでに「診断学」の本を密林でポチりました笑。診断学の本が残念ながら、なかなかいい本がないんですよね。で、このセミナーは貴重だなと。

これからも中医学(も)がんばりまーす\(^_^)/
の、Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛

カゼひくなよ〜、歯〜みがけよ〜



2016年1月31日日曜日

第 14 回 日本獣医がん学会

本日1/31(日)は第14回 日本獣医がん学会に参加しました。

、、、

とは言え、午前中は継続治療の糖尿病のワンちゃんが糖尿病とは別の問題で救急で対処してから向かいましたので、ランチョンセミナーからの、参加でした苦笑。

ランチョンセミナー、前回は北摂にある眼科専門病院の先生のセミナーに出たので、今回は検査センターの先生の骨髄検査についてのセミナーに出ました。

腫瘍疾患に限らず、貧血などでも骨髄検査が必要な時はあります。
でも、これは実際局所麻酔ではできない作業なので、全身麻酔になります。非常に短時間でできますけれど、全麻ですね。
ま、麻酔そのものを必要以上に恐れる必要は無いとは思いますが、リスクはない場合はないですからね、逆に。
今回の講師の先生、小笠原先生は、上腕骨からの採取をルーチンにしているらしいです。あと大腿骨からの採取も場合によっては行うらしいです。

末梢血の検査ではわからない幹細胞系の状態や骨髄への腫瘍細胞の浸潤、骨髄組織の状態などがわかります。

今日は手技を中心の内容でした。
次回からは採取標本の見方の予定だそうです。

昨日ハードワークで、朝から診療で、ちょっとお疲れギミックだったので、午後セッション失礼して、阪急百貨店でスイーツ(とらやの新作羊羹)買って帰りました、とさm(_ _;)m

Dr.BAOでしたっ(^_^)ノノ゛


2016年1月21日木曜日

VMN Live! 1.『下顎切除』 2.『会陰ヘルニア、鼠径ヘルニア』

1/21(木)診療終了後、VMN Live! 1.『下顎切除』 2.『会陰ヘルニア、鼠径ヘルニア』を視聴しました。

といいましても、午後診がおしてしまって、途中からの参加となりましたorz...
ま、こーゆーこともあります。

で、実際、下顎切除と会陰ヘルニアだけの内容で、会陰ヘルニアからの参加でした。下顎切除見たかったorz...w

会陰ヘルニアは一般的に未去勢の中年期以降の雄犬に多い病態です。おしりの横の会陰部の皮下に直腸の一部、膀胱などが出てきてしまうヘルニアです。
初期には排便困難がよく起こります。便の出方がおかしいなと病院に行かれたら、早めに発見できるかもしれません。そういう初期段階でオペをするか否かは獣医師の判断によります。
バオではそれほど強い排便困難でなければ、ヘルニアが大きくなければ、食事の改善、緩下剤投与などから始めることが多いです。うまくいけばかなり進行をおさえられますが、ヘルニアが大きくなってくるようであれば、あまり様子を見すぎず、オペをおすすめすると思います。ヘルニアが進みすぎてからのオペは大変ですし、再発率も上がってしまうからです。

あ゛ー、下顎切除、見たかったなーorz...w

ではでは、Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛



2016年1月14日木曜日

VMN Live!『尿道結石に伴う尿道閉塞を繰り返した猫の会陰尿道瘻術』

1/14(木)診察終了後、VMN Live!『尿道結石に伴う尿道閉塞を繰り返した猫の会陰尿道瘻術』を視聴しました。

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくおねがいいたします(^_^)ノ

さて、今年初めてのセミナー・学会は、webセミナーでした。

会陰尿道瘻造設術はバオでもまあまあやっている手術です。

ただ、処方食による予防をちきちんとやっている場合は手術にまで至らないことが多いので、最近は一昔前よりは減っているオペのような気がします。

ただ、発見が遅れたり、尿道にガチガチに結石が詰まってからの治療だとオペの可能性も高くなります。

排尿の様子がいつもと違うと思われたら、早めに病院で尿検査を受けられた方が良いと思います。

この会陰尿道瘻造設術は(していない場合は)去勢をして、尿道を『開き』の状態にしてまわりの皮膚と縫合し、女の子のような形にするものです。十分な広さの尿道にしておかないと再閉塞もあり得るので、しっかりペニスの根元の方まで(尿道球腺を越えたあたり)尿道を切開します。

バオで先日オペした例では、その広くなった尿道からポロリポロリと膀胱内の結石が出てきてくれて、それはもう自分のことのようにスッキリしました(^_^)ノw

でも、何にせよ、病気でのオペはしなくていいならしたくないものですよね。

早め早めの対応で、できるだけあなたのかわいいパートナーをオペをしなくてすむように、しっかり観察してあげて下さい\(^_^)/

ではでは、Dr.BAOでした〜♪