2016年2月29日月曜日

ペット中医学入門講座「気血津液と気血津液弁証」

2/29(月)午後診終了後、先日2/7(日)に開催された日本ペット中医学研究会(JPCM)・第1回ペット中医診断学入門講座「気血津液と気血津液弁証」をウェブセミナーで視聴しました。

この日の午後の部の応用編は参加したのですが、午前の部は他の予定で欠席したので、本日UPされたので、早速視聴したわけです(^_^)✏️

さて、講師はいつもの楊達老師。
中国なまりの日本語がしびれます笑

精気血津液。

精は生命の生命活動を維持し、人間の生長、生殖を促進、および臓腑の機能活動を生じる基礎物質。現代医学でいうホルモンに近いもの。

気は生体の元気さと新陳代謝を維持する能力とエネルギー。また、臓腑や経絡、各組織の働きあるいは機能。

血は現代医学の血液に類似、人体の臓腑・組織・器官を滋養し、人体にとって不可欠な栄養物質。

津液は体内における各種の正常な水液の総称。また唾液・涙・涕・汗・尿などもこれに含まれる。

これらが虚したり、滞ったりすると、病気につながっていくわけで、中医学ではそれを補ったり、疎通させたりして治療していくわけです。

こうした中医学の基礎はいくら勉強してもしきれない、したりない、といつも感じます。

講師の楊達老師も(老師は中国語で先生という意味です)幼い頃から中医師だったおじいさんのそばで中医学に触れていたといいます。もう染み込んでいるんですよね。(裏山笑)

五十路半ばもすぎたおっさんがどれだけダッシュしても、やはり本家にはかないませんね。西洋獣医学をベースに、中医学のイイところを採り入れて応用していくというバオの方針はこれからも変わりませんが、Dr.BAOが文字共に老師になった頃、中医学中心に香を焚いた薄暗い診察室で銅鑼の音や二胡の音に包まれながら、半目をあけて、ふむふむとやっている、という姿が、見えます(そんな占い師おったな笑)

はやく春らしくなってくれい!(≧_≦)ノ

ではではDr.BAOでした〜⭐️





2016年2月25日木曜日

VMN Live! 1.『猫の腎臓腫瘍摘出術』 2.『猫の肝外胆管閉塞に対する整復術』

本日2/25(木)午後診終了後、ウェブライブセミナーのVMN Live! 1.『猫の腎臓腫瘍摘出術』 2.『猫の肝外胆管閉塞に対する整復術』を視聴しました。

1.は腎臓の腺癌だったとのことです。オペ前は無症状で、検査で多血症が見られたとの事です。無症状のオペはなかなかいろいろ難しいですよね。今まで食べていた子が一時的にせよ一旦食欲低下はやむなしでしょうし。。ま、うまくいけば術後、術前よりも元気になってくれるかもしれませんし、今回の執刀医(南先生)もそれを狙っての事でしょうし。
ご家族がよく決断されたなと思う症例です。

2.はよくわからないシスト状のものが総胆管開口部あたりにできていて、胆汁の通過障害が起きて重度な黄疸が出ていたケース。胆嚢がらみのオペは多くなってきています。胆管の疎通障害があると、オペの方法にはいくつか選択肢がありますが、予後などを考えたベターな方法が望まれます。
今回はシスト状のものにチューブを設置して、胆汁が流れやすくする方法でした。臨機応変ですね。
でも、チューブはその後よくつまってしまうので、、、
胆嚢と小腸をひっつけるオペもありますが、私Dr.BAOはそれは最後の方法だと思っています。できれば総胆管から十二指腸へのライン確保が望ましいかと。ま、どうしてもだめなら仕方ないのですが。。

このライブセミナーはオペを実際行いながら、あるいは今日のように録画を見ながら、というものです。

我々が対象としている動物さんは長くて寿命20年だったりします。
そのあたりもヒトとはだいぶ違うところで、オペに対する考え方にもそのあたりはいつも関係してくるのですよね。

切り刻みたくはない、でも、それをしなければ、、、のケースや、それをすれば楽になれる確率が高いもの、などは私Dr.BAOもある程度積極的にご家族にお話しします。でも、高齢の動物さんに対するオペは、最近はだいぶ考え方が変わってきています。
父と母の最期をみてきて、いろいろ考えるようになりました。

動物さんの事だけでなく、ご家族のご意向も伺い、医療面でなにができるのか、なにができないのか、よくお話しして、動物さんにどうしてあげるのがベスト、ベターなのかを常にご相談しながら進めていこうと思っています。

まだ夜は冷え込みますね。
動物さんが寒い夜を過ごさなくていいように、気をつけてあげて下さい。

ではではDr.BAOでした(^_^)ノノ゛〜


2016年2月21日日曜日

「動物の防災を考える —動物病院での備えと、動物看護師にできること—」

2/21(日)はペピィアカデミックフェスタのプログラムの中の「動物の防災を考える —動物病院での備えと、動物看護師にできること—」を受講してきました。
講師は特定非営利活動法人ANICE代表 平井 潤子先生。

わたくしDr.BAOは大阪府獣医師会の動物救護等対策委員をしている関係もあり、上記のセミナーに参加いたしました。
出てみて、これだけのために日曜午後使った甲斐はありましたね(^_-)-☆

明日から、バオの患者様方にも防災という視点でも少しずつ診療を通して、お伝えしていけたらと思っています。

さて、その内容ですが、まず阪神淡路大震災を体験した人なら、あの揺れが、東日本大震災を経験した人ならあの揺れやその後のことを思い返し、実体験がなければ録画などを通し、もし今、その揺れが来たらどうするかを常にイメージすることが大事だと。

そのイメージの中で、自分がどう行動するか、いろんなシミュレーションをしてみて、結果、今、自分が何をするべきか、周りの人たちに何を伝えるべきかを機会あるごとに考えていく。そして、実際に周りの人を含めて、訓練などの形で実際に動いて、さらなる問題点を探り、改善に繋げていく。
だいたいそういう内容だったと解釈しました。

そんな中で、「その動物の普段の健康を考える事が、結局、万が一の災害時もその動物の為になる」というような趣旨のこと、そして、「犬の社会化はその飼い主さんにしかできない、その子の役に立つ災害対策である」というような趣旨のことが印象に残りました。

動物さんと生活する事は、非常にプライベートな事であるけれど(特に猫さんやその他小動物さんは)、災害時にはどうしても自分以外の他者との接点ができてくるはずです。ワンちゃんは散歩などを通じて、早くから家の外との接点ができることからも、その社会化が大事なご家族の仕事のひとつになるわけですが、その他の家庭動物にも共生し始めた日からその動物さんの社会に対しての責任をご家族が担う自覚が必要なのだと。

確定申告が終わったら、待合のフォトフレームで流す防災のスライドショーも作ろかな(^_^)ゞ

で、帰りにGOKANの豆乳プリン"大美五豆"ととらやの"雪紅梅"を買って帰りました☻

Dr.BAOでした(^_^)ノ



2016年2月18日木曜日

VMN Live! 1.『術前に発生部位の特定が困難であった腹腔内巨大腫瘤摘出』 2.『鼠径ヘルニア』3.『軟口蓋過長症』

2/18(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『術前に発生部位の特定が困難であった腹腔内巨大腫瘤摘出』 2.『鼠径ヘルニア』3.『軟口蓋過長症』を視聴しました。

いつものウェブライブセミナーでした。

1.の症例はCT検査でもどこから発生しているかがはっきりしない腫瘤ということで、開腹して以前のオペの十二指腸から再発したGIST(消化管間質腫瘍)ではないかということでした。
バオにはCTはありません。できるだけ(がんばって)エコーで診断します。しかし、それでも脾臓からか肝臓からか迷う時も場合によってはあります。で、北摂ベッツセンターへCTの依頼をする場合もあります。
今回はCTでも診断がつかなかったとのことで、そういう症例もあるわけですね。

2.鼠径ヘルニアはあまりひどいものは見ませんが、全体的に女の子のワンちゃんに多い気がします。で、避妊手術の際に一緒に整復することが多いです。酷くなってからよりもいいかなと思っています。

3.短頭種に多い軟口蓋過長症。いわゆるのどちんこが垂れ下がりすぎていて、呼吸がしづらい症例ですね。ガーガー言っているあれです。シーズー、ペキニーズ、パグ、ヨーキー、ブルドッグ、、、少し肥満するだけで非常に症状が悪化しますから、短頭種のワンちゃんは太らせてはダメですよ(^_-)

今日も質問みっつしました、Dr.BAOでした〜
では、まだ夜は冷えますので、油断召さるな〜
(^_^)ノノ゛


2016年2月10日水曜日

ペット中医学応用講座「中医皮膚病の弁証論治」「方剤学1」

2/7(日)のJPCM(日本ペット中医学研究会)@東京の午後の部のペット中医学応用講座に行ってきました。
1. 楊暁波中医師による「中医皮膚病の弁証論治」
2. 薛叶祥中医師による「方剤学1」

といった内容でした。

どんな病気でもそうなんですが、中医学の得意領域は急性疾患より慢性疾患なのではと日頃感じております。中医師の先生は急性症でも中医である程度対応できるとおっしゃるでしょうが、やはり動物医療の現場では急性症では何らかの結果をなるべく早く出したいと思いますので、今まで使い慣れた、ある程度結果が予測できる西洋医学的アプローチで進めることになります。

逆に慢性化した病態には、漢方は非常にチカラを発揮するのではと感じる今日この頃です。
で、皮膚病も急性湿疹などは別として、アレルギー性皮膚炎や脂漏症などは漢方の比較的得意とするところではないかと。

バオではアレルギー性皮膚炎が疑われた場合、アレルゲンの検査をおすすめしています(費用が結構かかりますので、もちろんご相談して進めていますが)。その上でご家族とご相談して食事療法、内服、外用、シャンプー剤などを決めていきます。そんな中で、中医学的アプローチをおすすめしているケースも最近けっこうあります。で、そこそこの結果が出ているのも確かです。そういう意味で皮膚科における中医学の役割は大きいと感じています。

次の方剤学は、中薬(日本でいう生薬)を組み合わせたものが方剤。
例えば、麻黄湯は麻黄、桂枝、杏仁、炙甘草を調合したもの。
それぞれの中薬がもつ薬理作用を組み合わせて、中医の治法の八方(汗法、吐法、下法、和法、温法、清法、消法、補法)に合わせて使用する。

現在、バオで扱っている漢方は、イスクラ産業のペット用漢方。
ただ、イスクラ産業の中医師の先生もおっしゃるように、現在それらですべての病気に対応できるわけではない。で、新製品の開発もどんどん進んでいるらしいけれど、それらにももちろん中薬が調合されているわけでもあり、中薬学、方剤学を学ぶことは大変役に立つとのことで、講座が設けられたのです。

なかなか手強い内容ですが、早速翌日「中薬学」「方剤学」ついでに「診断学」の本を密林でポチりました笑。診断学の本が残念ながら、なかなかいい本がないんですよね。で、このセミナーは貴重だなと。

これからも中医学(も)がんばりまーす\(^_^)/
の、Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛

カゼひくなよ〜、歯〜みがけよ〜