2016年10月27日木曜日

VMN Live! 『右橈尺骨中央部横骨折 整復術(ライブ手術)』

10/27(木)午後診終了後、VMN Live! 『右橈尺骨中央部横骨折 整復術(ライブ手術)』を視聴しました。

症例は日本猫、16歳、避妊メス、体重2.2kg
橈尺骨は前腕部ですね。骨折理由はわからないとのことですが、外出するネコちゃんなら、交通事故か落下事故か、(あってほしくないですが)何らかの虐待か。。

今回は、髄内ピンによる整復でした。
橈尺骨は二本で一組の骨なので、どちらかだけの骨折は稀ですね。
今回もどちらも骨折していますが、整復固定は橈骨だけに行います。そうすると大概、尺骨の方もある程度正常な位置に整復されるわけです。

バオでもつい先日、成長期の柴犬で同じようなオペをしました。
ただ、今回のライブオペの例は横骨折でしたが、バオのケースは若木骨折的な斜骨折だったので、やや難易度が高かったです。バオのオペはプレートによる固定を行いました。

骨折オペは確かに最近は幸い減少しました。
ネコちゃんも圧倒的にindoorでの生活が一般化したのが大きな理由だと思います。大切なことだと思います。
あと残るは、小型犬の橈尺骨骨折。
これは、お家の中でも十分起こりうるからです。ちょっとした高さからの落下でも起こってしまいます。
ですから、小型犬を抱っこする時は気をつけて、ツルツルのフローリングで運動会をしないよう、気をつけていただきたいわけです。

骨折は痛いですし、完治まで少なくとも週単位、月越え、ですし、オペをしたらそれなりのコストがかかりますし。。
とにかく、ご家族が、いろいろ気をつけてあげてほしいと思うDr.BAOでした〜
(^_^)ノノ゛

See you♬

2016年10月18日火曜日

ペット中医学臨床応用講座「運動器障害の中医学対策」「中国の学会発表レポート」「新薬"熄風"の紹介」「方剤学」

10/16(日)の午後の部は、ペット中医学臨床応用講座「運動器障害の中医学対策」「中国の学会発表レポート」「新薬"熄風"の紹介」「方剤学」と、またまた盛りだくさんでした。

「運動器障害の中医学対策」では、現代医学的な「関節痛」は中医学的には「痺証」しびれ、痛み、こわばり、変形などを含むもので、気血の詰まり、滞りを「痺」というわけです。
関節痛の病因として
①肝腎虚損
②気血不足
③風寒湿邪
④瘀血痰飲(濁)

そして、『通楽』を中心とした衛星弁証について。

次に、中医学から見る運動器老化について
①腎虚→老化、体質
②脾虚→老化、慢性病
③血瘀→老化、慢性病、骨折

そして、運動器老化に対する補腎益気剤としての『源気』を中心とした衛星弁証について。

中国で発表した先生方の現地レポート報告がありました。
英語や中国語はこういう時に役に立つわけですよね。大事大事。。(._.)φ

次は新しい漢方薬『熄風』の解説。
今までも精神科の漢方として『静心』がありました。精神的なストレスを中心に処方してきましたが、
今回の『熄風』の適応症は、
①痰迷心竅…痰濁が心竅を閉ざして痙攣、震え、異常行動などの病症が起こること
②風痰阻絡…風痰が経絡を阻害することによって、眼振、震え、痙攣、半身不随などの病証が起こること
③心神不安…心身が不安定になり、精神抑鬱、不安、異常行動などの病証が起こること

などがあります。
つまり、てんかん、震え、前庭疾患、認知症、脳血管障害、鬱病、分離不安症、強迫性障害などに使用すると有効ではないかといわれています。

神経科、行動科の漢方ですね(^_^)ノ

動物さん達の心の中は、表情、行動パターン、付随する異常行動、神経症状などから推測するわけですが、fMRI (functional magnetic resonance imaging)の研究などがもっと動物医療領域でも進められると、脳のどの部分がどういう時に活動しているかがわかって、"なんとなく"の科学的な裏付けになるかもしれませんね。

動物さんの心療内科は興味あります。
いわゆるペットたちの病気には精神的なストレスはかなりのパーセント、何らかの形で関わっているはずでしょうから。

最後は「方剤学」
講師の包海燕先生はやさしいお母さんタイプの先生で、日本語も達者で、お母さんらしく(笑)大事なところの強調とそうじゃないところのメリハリをつけて話していただいて、非常にわかりやすかったです。
補気剤…四君子湯、補中益気湯、源気、
補血剤…四物湯、潤華
気血双補剤…帰脾湯、八珍湯
補陰剤…六味地黄丸、二至丸、滋潤
気陰双補剤…生脈散、参苓白朮散
補陽剤…八味地黄丸
安神剤…天王補心丹、酸棗仁湯
以上15種の方剤についてでした。

ふぅ💨
いやー、TOKIOは近いようでそうでもなく、そうでもないようで近いんですが、やはりちゃんと帰らないと翌日の診療に差し支えますから、無い後ろ髪を引かれつつ、のぞみちゃんに乗車して帰りました。
あ、今回は、ちゃんと座席におみやげを置いていたので、忘れませんでした(`・ω・´)ノ笑

おつかれさまでした〜
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛


ペット中医学入門講座「診断から弁証、処方までの流れ」

10/17(日)は日本ペット中医学研究会のセミナーを聴講しに東京まで行ってまいりました。

午前の部は、ペット中医学入門講座「診断から弁証、処方までの流れ」いつもの楊達老師が非常にわかりやすく解説して下さいました。

老師もおっしゃってましたが、今回の内容は、いままで学習してきたことの復習とのこと。こういう基本は何回も何回も勉強して、基礎を固めていくことは中医学上達の鉄則みたいなものだと確信しております。

中医診療の進め方は、、、

ステップ1: 症状チェック…四診(望診・聞診・問診・切診)を用いて進める

ステップ2: 証型の弁証…衛星弁証(基本病機を中心にメイン処方とし、プラス特異体質変化や異なる時期の病理変化に応じたサブの処方を用いる)を活用する

ステップ3: 治療案の確定と実施

ステップ4: カウンセリング…病状、治療目標、治療方法の説明

ステップ5: 再発を予防、健康維持…体質改善、『養生』の方法

で、その後の内容は、それこそ中医診療全般をギューーーッと凝縮した、すごく濃い内容でした。
それを3時間で話す楊達老師はやはりさすがです\(≧_≦)/m(_ _)m

午後に続く〜

Dr.BAOでした(^_^)ゞ


2016年10月13日木曜日

VMN Live! 1.『会陰ヘルニア整復術』(ビデオ解説) 2.『腸内異物除去』(ビデオ解説) 3.『膀胱鏡の施術例』(ビデオ解説)

10/13(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『会陰ヘルニア整復術』(ビデオ解説) 2.『腸内異物除去』(ビデオ解説) 3.『膀胱鏡の施術例』(ビデオ解説)を視聴しました。

Liveの外科解説ではなく、ビデオを観ながらの解説3件でした。

1.会陰ヘルニアは未去勢中年期以降のオス犬に多い病気で、おしりの横が腫れて(その中に直腸の一部や膀胱が出ているわけですが)、便や尿の出具合が悪くなる病態です。
今回は、腹壁に直腸を固定し、腹筋に前立腺を固定してから、おしりの横のヘルニア部分の整復をしていました。

2.腸内異物。今回は症状や稟告から、エコー検査をして、前腹部の異物を検知し、開腹に至ったと。レントゲンでは写らない異物もあるので、そういう時は造影剤を飲んでもらうか、エコー検査ですね。今回は小腸内に異物が見つかり、腸切開で解決しました。

3.膀胱鏡の施術例。膀胱鏡は硬性鏡なので、基本メスに行う処置ですが、オスの会陰尿道を切開してそこからのアプローチも行われるとのこと。
尿管開口部からガイドワイヤーを挿入し、それにカテーテルをかぶせて挿入し、腎盂までカテーテリングをした例でした。

いよいよ夜は肌寒くなってきましたね。
底冷えしないよう、かわいいパートナーの寝床もしつらえてあげてくださいね(^_^)ノ

ではでは、Dr.BAOでした〜
(^_^)ノノ゛