2016年12月22日木曜日

VMN Live! 『下顎部分切除および胃瘻チューブ設置術』

12/22(木)午後診終了後、VMN Live! 『下顎部分切除および胃瘻チューブ設置術』を視聴しました。

今回は下顎にできた腫瘍が「悪性黒色腫」で、顎骨に浸潤しているということで、下顎の骨を半分切除するというものでした。

うーん、顎の骨をさわるオペはバオでもできますが、これに関しては、どうしてもDr.BAO自身に少し抵抗感が否めないですよね。顔の形が変わっちゃいますし、けっこうオペ中も出血しますし、、でも、それで動物さんが楽になってくれるなら。。

ただ、悪性腫瘍の場合、その時点での他の部位への転位のあるなしも重要ですよね。

ついこのあいだバオでも同じようなオペがあり、術後病理検査でやはり「悪性黒色腫」だったのですが、まだ骨への浸潤が無く、比較的初期だったのではないかと少し期待しています、これからを。16歳でしたが、なぜか迷わず切除オペしました。

ま、そのあたりは30年以上の勘でしょうか。
良くも悪くも、アタマがキレてる時は、勘があたるんですよね。
ま、それはさておき、、、

切除端の組織を丁寧に合わせて術部を再建していくわけですが、そうすると案外、下あごの骨が半分ないという感じには見えなくなるものです。当然しばらく食べ物をとりこんで咀嚼して嚥下するということがしづらくなるので、今回は胃瘻チューブ設置しましたね。

そこにある腫瘍をどうするのか。
外科か内科か。。。
麻酔は安全か、術後はどうする。。
いろんなことのメリット・デメリットを検討に検討を重ね、次に進んでいく。

腫瘍と対峙する。

Dr.BAOはたぶんもう今から腫瘍学の専門医にはなりませんし、なれないでしょう。
これからもスーパージェネラリストとして(スーパー笑) 西洋医学も東洋医学も、もっと高次元の診療ができますよう、努力を重ねていく所存です。

たぶん2016のこのブログもこれが最終回になると思います。

今年一年、サイトに来ていただきありがとうございました。
わたくしDr.BAOはとにかく動ける限り、これからも日常診療、セミナー、学会、に全力を注いでいく所存です。

ではまた、2017にお会いしましょう\(^_^)/\▼・ェ・▼/\=^_^=/♬〜

よい年末・年始をお迎え下さい🍀

Happy Holidays🎄⛄️❄️


2016年12月20日火曜日

ペット中医学臨床応用講座「泌尿器系疾患の中医学ケア」「泌尿器系疾患の中獣医学検討と臨床の実際」「眼疾患の中西医結合治療」「症例投稿大賞表彰」

12/18(日)JPCM(日本ペット中医学研究会)@イスクラ東京の午後の部は、ペット中医学臨床応用講座「泌尿器系疾患の中医学ケア」「泌尿器系疾患の中獣医学検討と臨床の実際」「眼疾患の中西医結合治療」「症例投稿大賞表彰」という盛りだくさんでした。

まず「泌尿器系疾患の中医学ケア」はまた楊達老師のご解説でした。
現代医学の泌尿器系疾患と、中医学における弁証特徴を重ね合わせ、飲食物の代謝を中医学的に解説し、「上焦・中焦・下焦」の中での五臓の関わりや「気・血・津液」として全身をめぐる生理と、よくみられる疾患のポイント症状について簡潔にご解説いただきました。

次に、北京農学院の陳武教授による特別講演「泌尿器系疾患の中獣医学検討と臨床の実際」、北京中西結合治療センター眼科獣医師の夏楠先生による「眼疾患の中西医結合治療」のご解説がありました。

そして、JPCM会員の先生方の症例投稿から楊達老師が選んだ優秀賞例3症例の表彰がありました。(Dr.BAOの投稿は少し時期が遅すぎたので、、、なんてねゞ)

そして、、、
ここだけの話。
その後、懇親会があり、そこでなんと、関西漢方獣医ダンサーズ(略してKKJ)が恋ダンスを披露しました。(もちろん支部長であるDr.BAOも参加✨️笑)
もうほんとめっちゃ練習しましたタツロー♬

では、益々寒くなりますので、
皆さん、暖かくして良い年末・そしてお正月を迎えられますように( ̄人 ̄)。。。

今年もいろいろありがとうございました〜
Dr.BAOでした〜
あかん、今日逃げ恥最終回やのに、早よ帰らな〜ε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛



ペット中医学入門講座「衛星式弁病・弁証診療法」

12/18(日)は中医学の勉強に、イスクラ@東京に行ってきました。

午前の部は、「衛星式弁病・弁証診療法」という内容で、いつもの楊達老師のご解説。
この衛星式という弁証の立て方は、本場中国にはないもので、我々がいつも行っている西洋医学的な診断でまず病名をしぼり(弁病)、次に、その病気の中医学基本病機(メイン病理変化)を判断し、その基本病機に基づいて四診で中医学個別体質弁証(衛星)までたどり着く中医学的診断(弁証)なのです。

西洋医学は完璧ではありません。
が、中医学も完璧ではありません。
中医学の弁証論治には定量検査の数値的情報が不足し、偽症状と主観的な素因の影響を受けやすく、マクロは得意だけれど、ミクロは不得意という特徴があります。

それを補って余りあるのがこの衛星式という弁証なのです。

我々の診療スタイル(まず西洋医学的アプローチから始める)を変えずに進めることができ、時には症状すら出ていない時にも治療へと繋げることができ(中医学ならでは)、西洋医学を補完でき、マクロだけでなくミクロ弁証へと繋げることもでき、異病異治に経時的な時間要素も加えることができ、疾病の予後・転化の予測がしやすくなり、再発予防の『養生』に繋げることもできる、というものです。

まあ、これには西洋医学の付け足し的なやり方では到底なし得ない、中医学的なアプローチがそれなりに必要なわけで、私Dr.BAOもそのために中医学の勉強をするべく、アラ還の我が身に鞭打っております (苦笑)。

ここのところの寝不足による睡魔🏊と闘いながらの午前の部でしたorz...

午後の部へと続く〜


2016年12月15日木曜日

VMN Live! 1. 右側耳道内の耳垢腺癌により全耳道切除を実施した1症例(ビデオ解説) 2. 骨盤腔内の腫瘍摘出(CT画像解説)

12/15(木)午後診終了後、VMN Live! 1. 右側耳道内の耳垢腺癌により全耳道切除を実施した1症例(ビデオ解説) 2. 骨盤腔内の腫瘍摘出(CT画像解説)を視聴しました。

ライブWEBセミナーです。今回はビデオと解説でした。

1. 右側耳道内の耳垢腺癌により全耳道切除を実施した1症例
酷い外耳炎や耳道内の腫瘍切除のために全耳道切除を行うことがあります。ただ、結構な確率で顔面神経麻痺や前庭症状が出ますので、そのあたりの兼ね合いを十分考慮した上でのことですね。

2. 骨盤腔内の腫瘍摘出
骨盤腔内に腫瘍があると、大きさと場所にもよりますが、骨盤の一部を取って、オープンにして手術を進めることになります。
以前バオでは膀胱破裂の子猫ちゃんの膀胱が小さすぎて、骨盤の結合部を一度外して、膀胱の処置後また閉じた例がありました。若いネコちゃんの骨盤はよく動いたので、切除しなくて済みましたが、成長した動物さんだと、切除が必要だったでしょうね。取った骨は今回もとに戻しませんでした。講師の南先生によると、それで全く問題ないとのことでした。

昔若い頃、飼い主さんに、この手術どれくらいの数こなしたことがあるかみたいな質問を受けたことがありました。特殊なオペだと、ほぼ初めてのようなものも少なくありませんでした。人の医療とは違い(人でも小児や新生児は別ですよね)動物種も様々、大きさも様々な中で、毎回創意工夫の連続なわけです。
それでも、できるだけベストな結果を出すためには、いろんなことを想定し、開けてみて、どんな状況でもたじろがない応用性を身につけるべく、いろんな専門家のいろんな意見を聞くことも大切だと思うDr.BAOなのでした。。

月が綺麗らしいので、観に行ってきます〜
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛





2016年12月12日月曜日

JAHA国際セミナー『血液関連腫瘍と最新の腫瘍免疫学』

12/11(日)JAHA国際セミナー『血液関連腫瘍と最新の腫瘍免疫学』を聴講してきました。

講師はコロラド州立大のDr. Douglas Thamm。

私Dr.BAOはいつものように日曜のみの参加ですので、3日目のプログラムを聴講したわけですが、、、
1. 獣医腫瘍免疫学の基礎

2. 獣医腫瘍免疫学における進歩

3. 受容体チロシンキナーゼと犬のがん

という内容でした。

Dr.BAOは学生時代から、免疫学にはとても興味があり、雑誌「Science」の免疫特集のイラストが好きでした。細胞の表面で行われているであろう棒が●とひっついて反応して、、みたいな笑

あ、さてー、、
今回の講義内容も、非常に興味のある、最新の、これから日本で行われるであろう腫瘍免疫学的なアプローチ法についての講義でした。

腫瘍治療は外科療法、放射線療法、化学療法の組み合わせですが、今回の腫瘍免疫療法は化学療法の延長線でもあり、もしくは新しいジャンルとも言える療法かもしれないくらいの将来性がありそうだなと感じました。

腫瘍が何故発生し、増殖するかのメカニズムを知ることで、そのシステムを崩す方法が腫瘍に対抗する方法とすれば、研究すればするほど、少しでも副作用の少ない治療法が見つかり、患者である動物さんの負担がそれだけ少なくできる、という方向性には非常に共感できるものがありますね。

血がドバッと出たり、副作用で悩んだり、そういうことから少しでも遠ざかった、もっとスマートながん治療が将来行えればいいなと切に思うDr.BAOなのでした。

いやー、このジャンルは学術的にも非常に興味があります。

でも、実際の診療の現場では、これからも漢方も含め、優しい感じの治療法もどしどし組み入れていくつもりにしています。
でも、外科も逃げずに、立ち向かう姿勢は崩さず、要は、ご家族のニーズに的確に応えていける態勢をできるだけ作っていきたいと思うDr.BAOなのでした〜。

では、カゼなど召されませんように。
ご自愛下さい〜(^_^)ノノ゛