2017年1月29日日曜日

第 16 回 日本獣医がん学会

1/29(日)は第 16 回 日本獣医がん学会に行ってきました。

大阪 ホテルニューオータニ。

ちゃんと朝イチから参加しましたよ😉✨️
ギリギリになっちゃったんで、大阪駅からタクに乗りましたけどゞ笑
いやーJR大阪のタクシー乗り場が東口から中央口のまだ西よりになっていて、それスゴいロスタイムだったんですけどー。。で、タクの運ちゃんに(すみません、普段そんなしゃべりはけっしてしませんが笑)「東口から乗り場変わってしもたんですねー」
運「そーなんすよー。お客さん半分になってしもて〜。。」
ぼ「ええーっ、半分っすかー。そりゃ大変や〜」
その後、何故か、運転手さんの運転がめっちゃ台湾タクっぽかったので、朝から変な汗かかせていただきました。


あ、さてー、学会ですが、今回の学会メインテーマは『形質細胞腫』。
しょっちゅう診る腫瘍ではないのですが、今バオでもこの治療をしている患者さんはおられます。
もちろん病理組織検査で診断をつけています。
講義でも講師のDr.小林が「診断にはクライテリアの2つ以上とかではなく、実際の症例を診て、組織を調べないとダメです」と。
午前の部は総論。午後の部は症例発表。

まあこの「がん学会」は獣医の学術学会の中でもIQ高い系ですよね。
参加者の平均年齢の若いこと!!
息子みたいな奴らが半分かな〜笑
あ、やつらとか、普段決して言いませんのでm(_ _)m

でも、少し、授業っぽい感じも否めなくて、今度のテストに出るぜよ! みたいな強迫感もあるわけで笑 ま、真面目だとそうなるのかもしれないですけどね。

若い優秀な獣医師が集っているとすると、これから増えても減らない腫瘍領域の将来は明るいというか、みんなちゃんとわかってるなというか。。

今回は講義内容はあまり書きませんが、治療方法など、今出ているテキスト的な専門書にはあまり出ていないことも聴けたし、参加してよかったと思いました👍

息子と走りの競争したらもう負けるように、体力的には今日の参加者達には勝てないかもしれないけど、それ以外の経験やら蓄積した知識やらコミュニケーション力やらで、自分もがんばっていかなあかんなと、帰りに大急ならぬ阪急でスイーツ買いながら噛みしめました。スイーツだけに。。m(_ _;)m

雨が降ってて寒くない夜@吹田
Dr.BAOでした〜(飲んでませんよ笑)



2017年1月26日木曜日

VMN Live! 『交通事故と思われる難治性腹壁ヘルニアの整復手術』

1/26(木)午後診終了後、VMN Live! 『交通事故と思われる難治性腹壁ヘルニアの整復手術』を視聴しました。

今回の症例は、、、
(日本猫、推定8歳、避妊メス)

【稟告】腹壁ヘルニア

【経過】
2017年1月10日
交通事故と思われる後肢歩様異常および下腹部皮下に腹腔内臓器のヘルニアを確認
排尿、排便、バイタルの確認

2017年1月12日
腹壁ヘルニアの整復手術を実施
右鼠径部付近に腹壁の裂傷を確認、整復を実施

2017年1月19日
左鼠径部に腹腔臓器のヘルニアを確認し、再度整復手術
左鼠径部に裂傷を確認後、単純結節縫合を実施

その後、やはり左大腿内側に腹壁ヘルニアを確認

2017年1月23日
当院に紹介
左鼠径部の腫脹(立位で顕著)

⇒ 本日、ライブ手術を実施

というものでした。

左鼠径部、分かりやすくいうと、『コマネチッ』の場所ですね。って、余計分からない人もいるかな?スマソンゞ💦

あ、さてー、
今回は、受傷後3回目のオペとのこと。。
うーん、講師(術者)の南先生もおっしゃってましたが、オペは1回目が勝負!ですよね。
1回目が一番術部もわかりやすいはずですし(たぶん)、2回目以降はいろいろな余計な組織ができたり癒着などが起こりますので、術部がだんだんクリアではなくなりますから。
それが3回目ともなると、オペ受ける側にも相当の覚悟が要りますね。

今回は、鼠径部の腹筋が付着部から剥がれていて、さらに、内側でヘルニアになっていたと。。画面見ていても、どこを縫っているのか、後の解説聞くまでわからなかったくらいでした。

猫ちゃんの交通事故などの外傷ではその「腹筋が剥がれる」ということもまあまあ起こるとのこと。バオでは最近幸い交通事故例も減りましたので、昔、そういう症例がありました。

この子も元ノラちゃん。

この寒空の下、なんとか暖かい場所をさがして、ノラちゃん達は生活してるんだろうな。。事故もそうですが、生活環境そのものが劣悪ですよね。。

ノラネコちゃんを作らない。
こういう不幸なことが起こらないためにも、猫を野に放つような捨て方などは言語道断。歴とした犯罪ですから。
法律がどうのこうのではなく、人としてやっちゃいけないことですよね。

今居るノラちゃんはそれ以上増えないように避妊去勢をして、「あたらしい」野良猫を増やさない人間の教育(啓蒙)を徹底して、シェルターなどの保護猫さんを新しい家族に迎えるということがむしろ当たり前になるような流れを作っていく。。
ひとつひとつ確実にやっていけば、野良猫さんを少なくしていくことは可能ですよね。

さっきからオペのこと以外のこと書いてますが、30数年、臨床をしていて、根本的な解決になっていないなと思いながら診療を進めていくことほど空しいことはないんですよ。

動物と生活している人もそうじゃない人も、同じ市民として、人間も動物も皆幸せに暮らしていける社会が一番じゃないですか? 皆で協力し合って、そういう社会を作りましょうよ。

実際、そういう活動に携わっておられる方々はいろんな問題点を指摘することができるでしょう。ぜひ、それを関心の薄い方々にもお伝えいただき、関心のない人は他人事とは思わず、同じ時代を生きる者として、一緒に考えていきましょう!

いつものセミナー報告とちょっと感じ違いましたね(^_^;)ゞ
Dr.BAOでした。


2017年1月22日日曜日

大阪VMAT講演会

1/22(日)は大阪VMAT講演会及び大阪VMAT結成式に行ってきました。

というか、私Dr.BAOは元々大阪府獣医師会 動物救護等対策委員なので、開催者側の人間でしたゞへへ笑

大阪VMAT講演会は、
まず我が委員会の副委員長の坂口先生が『災害から自分の身を守る為に』というテーマで、我々VMATのメンバーも、まずは自分を守らなければ、誰も助けることが出来ない、という内容の講演をしてくれました。

水の確保には非常に苦労するという関連で、お皿にラップを敷いてそれを捨てれば良いとか、微に入り細を穿つ内容に、ひとりでニヤニヤしてしまいました、私は。笑

もちろんそんなことだけでなく、自分を守るのは自分だ、という大切なメッセージが貫いていました。何の情報も来ない、誰かが何かをしてくれるのを待つ、そんなことをしている間にどんどん状況は悪化するかもしれない。「その時は」まず自分、自分の周りの人を安全な状況にすること。

しかし、一番大事なことは、今からでも出来ることをひとつずつやっていって、「その時」に起こりうることを最小限にするべく、予防的措置を講じておく、ということが今の我々に大切なことだと。スバラシイ

そして次は、日本のVMATの父とも言える、鳥取大学の先輩、福岡VMATの船津先生の『熊本地震におけるVMATの活動』という講演。
時系列的に、何が起こり、船津先生がどう行動し、どんな状況になっていったかを伝える中に、moreベターな提案などをちりばめて、、サスガ

船津先生は最後に、
1.同行避難とそれを可能にする動物教育の必要性
2.獣医師の被災地域での活動の法的整備
3.動物同行避難所の整備
という点を提案されました。
様々な場面に実際立ち入って、実感してこられたことと、重さを感じます。


で、その後は、、、
大阪VMAT結成式! パーリーか!!
と思いき や、、、
缶ビールで乾杯&VMATベスト着て帽子かぶって記念撮影、、でした笑

で、そのあと、スイーツ買って帰りました👣

講演の中でも地震は(この30年間に)必ず起こる!とか強調されて、、、
少なくとも子どもの世代だな、、、って、、、
心配のカタマリになって帰って来たわけだけど。。。

今日の講演の内容のように、「その時」に備えて、ソフト的にもハード的にも、出来ることをひとつずつやっていこうと、硬く心に誓った地下鉄御堂筋線でした笑

まだまだ冷えますね。
暖かくしてお過ごし下さい〜
Dr.BAOでした〜





2017年1月12日木曜日

VMN Live! 『試験的開腹』

1/12(木)午後診終了後、VMN Live! 『試験的開腹』を視聴しました。

ライブセミナー、今夜は、
  (狆、10歳、去勢雄)

【主訴】突然の嘔吐、食欲不振
【経過】
2016年12月22日初診
紹介病院にてバリウム造影(通過障害なし)、嘔吐の治療するも改善なしという
ことで、当院に紹介。

リパーゼ260U/l  CRP=3.8mg/dl
腹部超音波にて閉塞所見なし。
その他異常所見なしで、膵炎の治療を開始。

その後小康状態を保つが、やはり食欲不振が続き、たまに嘔吐するとのこと。

12月24日 リパーゼ347 CRP=3.5
12月27日 リパーゼ243 CRP=4.2
12月29日 リパーゼ258 CRP=6.1
01月04日 リパーゼ182 CRP=6.5
       腹部超音波にて閉塞所見なし。

01月05日 内視鏡及び生検検査を実施。届く範囲に異物なし。
       胃および十二指腸の出血および炎症像確認、病理検査提出中。

当日より、炎症性腸炎の疑いで、ステロイド1mg/kgBIDを投与。
ステロイド投与6日経過するも、症状の改善傾向は認められず。

01月11日 リパーゼ787 CRP=2.2
       腹部超音波にて閉塞所見あり。

⇒ 本日試験的開腹術を実施予定。
というケースでした。

試験開腹は重要な外科的処置ですが、講師(術者)の南先生もおっしゃってましたが、開腹して何もなかったら、やはり気分的にすぐれないと。
まあそうですよね。費用もかけて、リスクもあって開腹したけど、何もなかったら、ご家族への報告が若干辛くなりますよね、特に症状が重い場合は。

でも、今回は小腸内異物があって、腸切開による摘出が出来ました。

硬そうな、数センチある異物。。。

思わず質問しました。
「触診で分からなかったんですか?」と。

Dr.南「わからなかったんですよね。」と。

CTもMRIもいいんですよ。
でも、触診などの身体一般検査は、最重要ですよね。
バオでは、血液検査、レントゲン検査、エコー検査、尿検査、その他、(身体一般検査以外の)検査というものをそんなにバンバン行いません。というか、必要かどうかを必ず厳しく(Dr.BAOの脳内で)吟味します。もう少し、よく聴いてみようとか、もうすこししつこく触ってみようとか、地道な身体一般検査を行って、極力ご家族の経済的負担、動物さんの肉体的・精神的負担を少なくする努力を必ずします。
それでも必要な検査をご提案します。
通っていただいているご家族は、そのあたりのことは良く分かっていただいていて、(この私がすすめるのだから必要なんだろう、しかたないなと、きっと思って下さって)検査了承率は他の追随を許さないと思います(Dr.BAOの脳内比スミマセン笑)。

ま、結果、原因が分かって、その場で解決の出来る「可能性のある」試験的開腹はこれからも大事なツールであることは確かですね。

これから益々寒くなりますね。
暖かくしてお過ごし下さい。
注: 寒いからといって、動物さんの様子が悪いのに来院をしないようなことにはならないようにしてくださいね(≧_≦)ノ
Dr.BAOでした〜