2017年2月23日木曜日

VMN Live! 『膝蓋骨脱臼(グレード3)の整復術』

2/23(木)午後診終了後、VMN Live! 『膝蓋骨脱臼(グレード3)の整復術』を視聴しました。

今夜のライブオペは、
   (トイプードル、2歳)

【経過】
2016年11月 高所より落下。以降右後肢の跛行で来院
診察時、膝蓋骨の内側脱臼グレード3を確認
触診にて右膝関節に痛みありのため、レントゲン撮影

【レントゲン検査】
股関節著変なし
右膝蓋骨脱臼
その他特筆すべき異常は認められない

しばらく非ステロイド消炎鎮痛剤にて様子観察

⇒ 痛みは消失したが、今後の右膝関節安定を図る目的で
  本日、右膝蓋骨脱臼整復術を実施

というものでした。

膝蓋骨脱臼は、交通事故などの骨折や脱臼が減少した現在でも、小型犬を中心にまだまだ日常的にみられる疾患です。遺伝的要因が大きいだけに、抜本的な対策が望まれますよね。

で、バオでもグレードⅢ以上は外科的整復をおすすめしています。
グレードⅢは日常的に脱臼していて、戻せば戻るけれどすぐ脱臼するというもの。要するに歩行に明らかな支障が生じるレベル。

事故などを除けば、グレードⅠから順に進行するわけで、初期にわかれば、それなりの対策を講じてできるだけ進行をしないようにして、できるだけオペをしないでいけるように、バオでは診療させていただいています。

オペの考え方などは病院によって多少変動すると思いますので、かかりつけ病院にご相談下さい。

ぼちぼち春が近づいてきましたね。
春は何かと動物病院は慌ただしい季節。

春じゃなくても、の方は、今のうちに動物病院で済ますことは済ませておかれることをおすすめしますゞ待ち時間等きっと長くなっていきますから。。

でも、まだまだ寒い日もありますよ。
油断しないように、かわいいパートナーの様子をよく見てあげて下さいね(^_-)

ではでは
Dr.BAOでした〜(^_^)ノノ゛



2017年2月2日木曜日

VMN Live! 1.『椎間板ヘルニア』2.『腹腔内腫瘤』

2/2(木)午後診終了後、VMN Live! 1.『椎間板ヘルニア』2.『腹腔内腫瘤』を視聴しました。
Live OPE 2でした。

今夜のVMN Live!は、、、


■ライブ手術症例 1

【患者】チワワ、5歳、雄
【稟告】2017年01月30日に大型犬と遊んだ後、右後肢跛行
    同日夕方より両後肢跛行
    2月1日、当院に紹介

【検査】両後肢CP・DP0
    [血液検査] 著変なし
    [CT検査]   胸椎12-13 右にIVDD所見
    [MRI検査]   胸椎12-13 右に脊髄圧迫像
           胸椎7-10 脊髄に高信号領域

以上の検査より、外傷性椎間板ヘルニアによる後肢麻痺と判断し、
本日ライブ手術


■ライブ手術症例 2

【患者】ウェルシュ・コーギー、12歳、去勢雄
【稟告】ここ2週間、右後肢を引きずって歩くとのことで、
    1月29日、当院に紹介

【検査】起立歩行可能、後肢ふらつきあり CP・DP異常なし
    触診にて疼痛はなし
    [腹部超音波検査] 脾臓に腫瘍性病変、腹水貯留(血様)
    [CT検査]  少量の腹水
            直腸の背側に腫瘍性病変
            左副腎腫脹
            脾臓腫瘍性病変
            肺に円形孤立性病変が最低4カ所(最大直径13mm)

以上の検査より、腫瘍性疾患の破裂による腹腔内出血と判断し、
確定診断のため、本日試験的開腹手術による生検


という内容でした。

1.は胸椎ⅩⅡ-ⅩⅢ間の関節突起部をドリルを用いてヘミラミネクトミーを行い、突出していた椎間板物質を除去。

2.は後腹部切開にて直腸背側の腫瘤のファインニードルバイオプシーを行うもほとんど血液が採取され、もともと血小板減少、腹部紫斑のようなものが出ていたことからDICの恐れも有り、オペはそこで終了となりました。

1.の椎間板のオペは、術部も非常に小さく、オペ時間も非常に短く、さすがでした。

2.は、なんともなんともなオペで、CT検査でいろいろな所見が出ていたので、果たしてどこまでやるのかと観ていたら、実際、腫瘤の確認だけになりました。

1.の予後は良好でしょう。

2.の予後は厳しいでしょう。ま、かなり腰椎の変形性脊椎症も出ていたようなので、緩和療法などでQOLを上げていくような治療になるのでしょうね。

バオでも明日オペがありますが、木曜にこのライブを観ておくと、金曜のオペの手の運びが若干、速くなる、気がする〜っDr.BAOでした〜

あたたかくしてお過ごし下さい〜
(^_^;)ノノ゛〜